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82. 不可計の悪魔

私の力は対象の敵を選びその対象を殺すまで何度も死に、時間が遡る。またその対象が自分を中心に半径20メート範囲から出ようとすると戻されてしまう。確実に敵を殺すことのできる力だ


「君は私に絶対勝てない」


自身の力によって死ぬことはあっても負けることがないのだ


「1%の勝機があるとでも思ってるの?アリスに勝てる確率は0だよ」


シアの力は死んでもやり直しができる力。つまりは勝機が少なからずあれば勝つことができる


「確かに今の私の状態では勝てる可能性は低い。ですが0は言い過ぎです。少なく見積もっても40%ですね」


決してシアは敵を舐めていないがアリスの発言には納得が

いっていない


「私の力を知っているのによく戦えますね。貴方はこれから死ぬんですよ」


一方でアリスは全く話を聞かず、どう殺そうか思考を巡らしている。そして立っているのも疲れたのか錬成魔法で椅子を作り座り始める


「それは流石に舐めていますね。それでは─────」


椅子に座ったアリスに向かって剣を振りかざす


「ミンチからかな・・・」


アリスが何かをつぶやいた途端、シアはアリスの目の前でグチャグチャに弾ける。そして能力により時間が遡る


「はあ・・なんだ今の?」


意味の分からないスピードで切り刻まれた。こんな死に方は初めてだ


シアはかなり実力者だ。相手の力を知らないせいで実力で勝っていても負けてしまう者がいる。だからこそシアの能力は初見殺しを見抜き確実に相手の弱点を見つけることができる。だが、


「まるで理解できない。なんですかこれは」


この世界に自分を即死させる者がいたことに驚きを隠せない


「私は第二次席次のシア・カーンですよ。弱いはずがない」


ただ目の前にいるのが相当の化け物だということはすぐに理解できた


「えー、もう降参なの?さっきみたいにミンチにしてあげるよ」


アリスは残念そうな顔でシアを見る


「は?なぜそのことを・・・」


そう。この力は対象者には認識できない。だからミンチにされて死んだという事実を敵が知るすべもないのだ


「私も今その力を使ってる。って言ったらどうする?」


「そんなはずはない。この世に同じスキルが同時に存在することなどない」


シアは絶対にそんなはずはないと信じ込もうとするがそれもアリスによってすぐに壊されてしまう


「うわあああああああああ」


突如、シアの脳にありもしない死の数々が急激に刻まれる


「な・・なんで?」


「ただ見て真似しただけだよ」


アリスの持つスキルはこの世の原理原則、法則をすべて書き換える力


「この世界の事象は全て数式で表せるの」


「何を言っているのだ」


アリスは相手の力の原理を理解していれば疑似的に同じ力を使うことができる


そのスキルの名は─────


──不可計の悪魔(アモン)──


「これで終わりかな?」


かつてこの世の厄災、パンドラと呼ばれた少女が持っていたスキル。この時代はアリスが選ばれたようだ


「いや、まだ・・・です」


アリスから距離を取ろうと後ずさりする


「諦めが悪いね」


アリスは面白おかしそうにシアの動きに合わせ少しずつ迫る。死を感じさせるようにゆっくりと


「これで二人目─────」


アリスがスキルを奪うため小箱を持ちシアに手をかけようとする


「シアさん大丈夫ですか。助けに来ましたよ」


突然シアの影の中から黒服をまとった者たちが現れアリスの前に立ち塞がる


「本当にやられてるよ。あたいらだけで十分か」


「無論。ただの撤退だからな」


第三次席次のヘリオス・ローレライ、第六席次のミリス・アステリア、第七席次のグリムだ


「お仲間さんの登場かな。鴨が葱を背負ってきたよお」


アリスはとても楽しそうにしている。千載一遇のチャンスかのように喜んだ


「悪いが遊んでいる暇はない。グリム、シアを連れて先に行け」


「はいっ」


グリムは自分よりも体の大きいシアを背負い逃げ出そうとする


「だめだよ~逃がさない」


グリムは強制的に元の位置に移動させられる


「何よアイツ、シアの力を使えるじゃない。もしかして盗まれたの?」


「ちが・・う。あれが少女の能力です。真似だと・・・さ」


ボロボロになりながらもシアはできる限りの情報を仲間に伝える


──核炎──


「ヘリオスさんちょっとこっちまで巻き込まれますって」


躊躇せずヘリオスはアリスに向けて大魔法を放つ。かつてルミナの故郷を焼き払った魔法である


──ファイアーボール──


アリスの手から放たれたファイアーボールがヘリオスの攻撃を相殺する。そのファイアーボールの大きさは大魔法と遜色ない


「ちっ」


「ヘリオスさん。相手のファイアーボール。おかしくないですか。あんな大きさ見たことありません」


「ああ、そんなことは分かってる」


そもそも逃げることが最優先。こんなところで力比べをしても意味がない


「やれるかグリム?」


「はい、もちろんです」


グリムは手に付けていた手袋を外す


──死の神── タナトス


「へ~ボク。アリスのこと殺そうとしてるのね」


「なんだよ。俺と同い年くらいだろ」


グリムの背丈はアリスと同じくらいで童顔である


「じゃあ何歳?」


「13」


「アリス14」


「うわ~負けた」


余計な話をしていると後ろから突然ボカンとヘリオスに頭を叩かれる


「集中しろ。死ぬぞ」


「はい。すみませんでした」


グリムの手からは死の匂いがしている。おそらくそれに触れられたら即死ということなのだろう


「あれ?どこかで会った気がするんだけど。気のせいか」


グリムはその手でアリスに襲い掛かる


──止まって──


しかし、グリムはその攻撃をその手で殺し突き進む


「効かないのね。それじゃあ──」


アリスが次の攻撃に移ろうとした途端にグリムは立ち止まる


「あれ、思いついちゃった」


グリムは戦うのを止める。そして両手を上に突き上げる


──能力開放──


グリムを中心に死が広がっていく地はチリと化し倒壊した建物をすべて砂へと変える。その場にいたアリスとグリム以外は一度死ぬ。だが、運命の神の力が働き生き返る


「なっ」


思わぬ攻撃にアリスは一瞬動揺した


「何やってんのグリム!」


ミリスは一度殺され激怒している。だがヘリオスはこの機を逃すまいと次の判断をする


「今だ!」


ヘリオスたちは影の中に逃げる。グリムの攻撃により運命の神の力は解かれたのだ


「あー逃がしちゃった」


影の中に完全に消えていった。アリスは人目につかないよう急いでその場を去る。死傷者、行方不明者合わせて約1000人。この大惨事は謎の爆発テロとして片づけられた


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