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72. 新国家

魔王カザリスの支配するキラリスとライン王国との戦争は約一週間ほどで決着が付いた。王国の奇襲は功を奏し、剣聖アリウス・クラリスによって魔王は滅ぼされる。この結果、ライン王国の領土はカザリスまで広がり大きな功績を残した剣聖は大臣筆頭にまで上り詰めることとなった


魔族と人間との戦争は100年ぶりであり、仲良くはしないが互いに干渉しないという人間と魔族との暗黙の了解を破ることとなる。世界で多くの者が今後大きな戦争になるのではないかと危機感を持ち始める


しかし──


「私はカミヤ国、魔王のルミナ・スプレッドです。そして今日ここに人間と魔族が共存するカミヤ協魔国を新たに建国することを誓います」


大きな戦争が終わり、新たに王国がカミヤ国へと侵攻を始めようとしていた頃、アリス達は次なる一手を投じていた


世界のあらゆる場所でルミナの演説が空中に現れる。この世界には映像という概念はなく、アリスの作った遠隔モニターをあらゆる場所に設置し今回の演説に臨んだ


多くの者は映像という現象を物珍しそうに興味を向ける。このおかげでルミナの話に耳を傾けていく


「古き慣習はもはや最近の戦争のような悲惨な結果を生み出してしまいます」


ルミナは力強く言葉を発する。魔族と人間が手を取り合うなど愚かなことだと一蹴する者もいれば今の国際情勢に危機感を覚え平和な道を探そうとする者もいた


「私の親友である人間を紹介したいと思います」


ルミナは早く来てというようにアリスを手招いた


「はい、紹介にあずかりましたアリスと申します。ルミナは私にとって一番の親友です」


アリスはルミナと対等であることを証明するためルミナに抱きつく。ルミナは恥ずかしそうにアリスをはがそうとするがアリスは止めない。そんな様子をモニターで見ていた多くの者達は驚きとささやかな笑いが起きていた


「はい・・では私の発言に戻ります。新国家カミヤ協魔国に移住したい方はぜひこの国を訪ねてみてください。身分や人種は一切問いません。貧しかろうが何だろうが構いません。ですがこの国に敵対するのであれば人間であっても魔族であっても同等の対応をします」


ルミナはこの後一通りのあいさつを終え、演説配信を切った


「いやあ、お疲れさん。ルミナ良かったよ」


「スグルに褒められてもうれしくない・・けどありがとうくらいは言ってあげる」


「ああ・・どうも」


せっかく褒めたのになぜか嫌がられた?的な感じがする


「アリスの書いた原稿を読んだだけでしょ」


意地を張っていたルミナにすかさずアリスは秘密を暴露していく


まあ、そんなところだと思ったけど・・・でも演説の仕方や態度は魔王の威厳があってよかったように思う


「「お疲れ様です皆さま」」


声を合わせてこの演説を労ったのはマリとレナだ。二人との交流はまだ浅いが長い間アリスのことを支えていたようで兄としては頭が上がらない


「それにしても二人はそっくりさんだね」


「「はい、双子ですので」」


一寸たりともずれず同じ発言をする


今日という日が来るまで俺はアリスがいったい何を考えているのか分からなかった。でもアリスの口から直接どうしたくて今までどうしてきたのかを聞いた


「アリスは俺の自慢の妹だよ」


アリスはこの世界を争いの少ない世界にしようとしていた。カミヤ協魔国がその出発点にしたいと


「なに言ってるの。お兄ちゃん恥ずかしいよ」


「いや、俺は本気で思ってる。俺じゃあこんなことはできない」



全て計画通りとまではいかず運というものも少なからずあっただろう。それでもアリスはこの世界を大きく変えていることはすごい事だ


「今日は祝いだな」


こうして今日ここに新国家カミヤ協魔国が建国されたのである



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