05. 協力?
「みんな少し止まって!」
マルスの合図に皆、警戒心を強める
「マルスさんどうしたんですか、ってあれか、犬の骸骨?」
肉のついていないオオカミのようだ。ホラー映画みたいだな
「アンデットウルフだよ、まずはみんなで集まって陣形を取ろう」
10~20体ほどいるのか。マルスさんの言う通りみんなで協力すべき、と思ったがそれは遅かった。
「ウリャァァ」
「ちょっと待て、アリス!」
ああ、忘れていた、アリスは魔物を見ると考えなしに正面から行くのだ。俺はアリスに続くようにアンデットウルフに向かっていった。
「ファイアーボール」
ファイアーボールとは思えないほどの大きな炎が敵を」焼き尽くす
アリスの魔法は羨ましいな。10体ほどまとめて焼き尽くしている。俺は素手だから迫ってくる敵を一体ずつしか倒せない。結局倒した数はアリスの半分以下だ
一方、マルスたちはその光景をただ見ていることしかできなかった
「どういうこと・・・アリスさんの魔法はともかく、素手でアンデットウルフを倒すなんて・・・」
C級パーティーの全員が驚愕している。きっとアリスの奇行に驚いているのだろう。
「ナイスファイト!スグルさん、まさかあんなに強いとは思わなかったよ」
「そんなことないですよ、それよりもうちの妹がお騒がせしました」
さすがにこれはまずい、マルスさんに気を遣わせてしまっている
「アリス、俺はともかく皆さんに迷惑をかけちゃだめだよ」
「ごめんなさい」
アリスが思ったよりもすぐに謝罪したのには驚いたが、事態が穏便に済んでよかった
「もうお昼近くになったので皆さんここで昼食にしましょう」
マルスの掛け声にみんなが反応していく。さすがに動くと腹が減ってしまうな。それにしてもこんな魔物がいつ出るか分からない場所で昼食を食べることができるのかと、さすがはC級冒険者だと尊敬してしまった。
「マルスさんはもしこのような時に、モンスターに襲われたらどう対処しているんですか」
「秘策はあるけどね、簡単には教えられないなあ」
確かに、今日あったばかりなのに失礼なことを聞いてしまったのかもしれない。
「まだ今日あったばかりだっていうのに、すいません」
「いえいえ」
マルスさんはとても善人に感じた。一方でアリスは俺とマルスさんのやりとりを意味深な目で見ていた
「アリス、食べ過ぎるなよ」
「お兄ちゃん分かってるよ」
この世界にきて初めての仲間だ。アリスもとても楽しそうにしている。マルスさんさんたちとはこの先も一緒に冒険したいな。
「では、昼食はここまでにしてクエストを再開しましょう」
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