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妹は天才で最強だが兄である俺が妹を守らない理由にはならない  作者: ナカヤミ
5章 ダンジョン攻略編
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48. ダンジョンデート

魔王ロキの命令によりナナと二人でダンジョンに向かうことになる。ダンジョンについての予備知識もなければそもそも何をすればいいかも分からない


しかし、ナナという頼りになる女性がいることに少し安心していた


「へー、自動ドアなんですね」


ダンジョンの入り口は石で構成され苔まみれの古臭いように感じた。だからこそ自動ドアという点に驚いた


「何を言ってるのかな~」


まったく意味が通じていないような反応をする。この世界では当たり前のことなのだろう。中は少しひんやりしている。そして何より驚いたのがとても明るいということだ


「この壁の全てはマクラ鉱石といって常に光を放っているんだよー」


「ダンジョンって面白いですね」


「えーそう?面白いの・・・かなー?」


今日のデートが中止になってかなり落ち込んでいたけど洞窟デートと考えれば何も問題ない。それにナナさんはダンジョンのことも詳しそうだし


「ナナさんはもちろんダンジョンとか経験したことがあるんですよね」


「初めてかなー」


驚きすぎて手に持っていた短剣を地面に落としてしまう


「今なんて?」 


「だからー初めてだよー」


「いや何でこの人選なんだよ」


まさかの発言に冷や汗が止まらない


「ロキ様に聞いてよ~」


いや、これはおそらく初めてでもそこまで危険な場所じゃないということだろう


「あっ!止まって」


扉を開け隠し部屋のような場所に入ろうとしたがナナが止める


「はいっ!何かあるんですか?あ...」


目の前の凄惨な光景に鳥肌が立つ。天井に無数の棘があり人間の死体が刺さったままだった


「やっぱり引き返しませんか」


「ダンジョンって一度入ったら出口を見つけるまで出れませんよー」


スグルの心を折るとどめの一撃が放たれた


「今なんと?」


「入り口は入ることができても出ることはできないのー」


おいおい。しかもその知識があるのになぜ初心者二人で行けると思ったんだよ。どうか一番最初のワクワク感を返してください


一度地に膝をつくがそんなことをしても状況は変わらない


「やるしかねーか」


ナナさんの前でかっこ悪いことはしたくない


「大丈夫だよースグル。私強いから」


「知ってる」


ナナさんはいつも呑気な感じだが、戦闘では別人の如く華やかな剣術で敵を切る。もとの世界で剣道をやっていたこともあり恐ろしいほどナナさんのセンスの良さが分かる


「それにナナさんはスキル持ちだからな」


「あんまり周りにペラペラ言っちゃダメだよー」


ナナさんのスキルは──封印鎖──(シールドチェイン)だ。俺のスキル九頭大蛇を引き出すのもこのナナさんのスキルによるものである


「スグル少し止まって」


「今度はなんですか」


「アイアンゴーレムだよ」


ズシッズシッと足音を立てながらゆっくりと近いてくる。体長は四メートルほど、鋼鉄の鎧を着てロボットのような動きをしている


「よしやるk─」


風の音とともに目の前にいたゴーレムが斜めに切り分けられる。ナナの放った一閃は目視が難しいほどである


「終わったよー」


かっこいいところ見せるチャンスだったのに・・・


「ナナさん、案外このダンジョン余裕かもしれませんね」


まだ最初であるがこの程度なら俺でも倒せるレベルだ。ダンジョンを舐めているつもりはないがこの程度なら少し自信がある


「そうだね、じゃあ私と・・・」


後ろに手を組み甘えるように下からのぞき込む


「けっ・・・」


け・・結婚?


「決闘でもする?」


冗談のようだがナナはファイティングポーズをとる


「いやするかい、早く行きましょ」


後ろからクスクスとナナさんの笑い声が聞こえる


「いやあ・・・ダンジョンも中々悪くないな」


「今なんて言ったの?」


「何でもないですよ」


本当に楽しいな。魔物もイビルス周辺のと比べたら大したことない。罠に注意していけば楽勝でしょ


「ナナさん、あの──」


突然トゥルリンと何度も着信音が鳴る。すぐさまポケットから携帯を取り出し確認する


「こんな時にメール?」


しかも10件以上だ


「メールって何?」


「いや、特に大したことじゃないんだけど・・・」



〈不在着信〉


〈不在着信〉


〈不在着信〉


〈不在着信〉


〈不在着信〉


〈ねえ電話繋がらないんだけど〉


〈どこにいるのお兄ちゃん〉


〈早く返事カモン〉


〈何してるの~〉


〈まさか未読無視?〉


〈ねえ?聞いてる?〉


〈は~や~く〉


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


おいおい、着信音が鳴ってからまだ一分も経過してないよ。ダンジョン内だから電波が悪いのか


とりあえずダンジョンと電波が悪いからあとで連絡すると返信した


「ふぅ・・・」


携帯をポケットにしまい待たせてしまったことを謝罪する


「どうしたのスグル?」


妹が・・・って言ってもこの魔道具の原理が分からないからなあ・・・


「持ってた魔道具が故障したんだけどすぐに直したから大丈夫」


あまり発展しすぎた物を知られてもよくない。とっさの判断でうまく誤魔化した


「そろそろゴールじゃないかなー」


ほとんどナナが魔物を倒してしまいやることがなかった。それなのにとうとうダンジョンの最終地点まで来てしまい焦っている


このままじゃマジでかっこ悪い。なんとかしないと


スグルはいつでも戦えるよう集中力を全開にして強敵を待つ。果たしてその瞬間は訪れるのだろうか




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