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47. 罠

多くの冒険者がライン王国直々の依頼という異例なクエストに驚愕している


「おい見ろよ、壊滅した旧ヴァンパイ城に行って情報を伝えるだけで10万メリスだってよ」


冒険者ギルドでは掲示板に貼られた高額報酬を見に多くの冒険者が群がっている。ランク条件も無く誰でもできるクエストであり人気は絶大だ


「本当に大丈夫なのか?死んだとはいえ魔王候補がもともと住んでた場所だろ」


「そもそも、吸血鬼の魔王候補が死んだことを発表したのは帝国だろ。信憑性に欠けるよな」


ある者は歓喜しある者は困惑する。その光景をただ眺めている者まで様々だ。しかし結局人間は目の前の利益に飛びつく生き物だ


「俺たち銀の翼はこのクエストに行くぜ」


真っ先に乗り出したのはA級冒険者パーティの銀の翼だった。このパーティに続くようにいくつものパーティーがクエストを受注した


「リアム、私達は行かないの」


「辞めておいた方がいい」


その様子を遠くから眺めていたのはS級冒険者パーティの一つタタラの棲家だ。


「どうしてそう思うの」


「昨日の王国からの申し出に少し違和感があった。おそらく近々戦争が起きる」


このパーティーは王国が傭兵としてS級冒険者を雇うという話に乗らなかった


「確かに、急に戦力を集めたいだなんてね」


タタラの棲家はリーダーのリアム・テイルズ、そしてソフィア・バレンタインとアリシア・スノーの三人で構成されている。リアムが前衛で主な攻撃を担いアリシアが魔法でサポートしている。ソフィアは・・・


「おい、ソフィア。そっちは壁だぞ」


このパーティーの一人、ソフィア・バレンタインはbotのようにただひたすら壁へと歩き続けている


「もうソフィアったら・・」


ソフィア・バレンタインは基本的にいつも寝ている。寝ながらご飯を食べたり歩いたりすることができるので視覚情報を伝えさえすればそこまで生活に支障はない。しかしコミュニケーションが不可なので実質このパーティで発言するのはリアムとアリシアだけである


「ソフィア可愛い、ずっとが壁に向かって歩いてる」


「ソフィアで遊んでないでとっとと行くぞ」


この三人の目的地は遥か遠くに位置するダンジョンである


**************************************



このクエストの依頼者であるライン王国では少し騒ぎが起きていた


「大変です、コロニアス陛下」


慌てた側近が思い切りコロニアス王の部屋の扉を開ける


「何事だ」


「先日行われた魔王会議の決定により旧吸血鬼の女王の支配領域に新たにカミヤ国の建国が決まりました」


新たな魔王の出現?いや吸血鬼の女王が死んだのはフェイク?


「今すぐギルドへの依頼を中止させろ」


このままでは王国の名義で発注したクエストが魔王国を侵略したことにつながってしまう


「陛下、可能でございますが移動も含めおよそ3日ほど。混乱などを収めるのにさらに時間がかかりますが・・・」


罠に嵌められたのか・・・タイミングが良すぎる。このまま冒険者が魔王の地を踏めばクエスト発注元のライン王国が国際問題となる・・・


「息子たちと大臣、貴族を集めて緊急の会議を行う。直ちに招集しろ」


「はっ」


「まずいな・・・」


このままでは戦争になりかねない。先の遠征にお金を使いすぎたために賠償金を持ち出されては国が持たない


「陛下、失礼します」


「今度はなんだ」


「たった今カミヤ国の使者から書状が」


なっ、いくら何でも早すぎる


「読み上げろ」


「はっ」



貴国の卑劣な思惑により先ほど冒険者たちに襲撃された。冒険者は貴国の要望に応えるためと申していたがこれは我がカミヤ国に対する侵略として受け取られても仕方のない事である。しかし建国発表の遅れがあったのでこちらにも落ち度がある。故に今回の件は互いに国交を結ぶということで解決はどうだろうか。良い返事があることを期待している


「これだけか?」


「はい」


宣戦布告でも賠償金でもなく国交を結ぶを望むのか・・・いや恐らくこれは


「陛下!しっかりしてください」


コロニアス王はその場に倒れた。近頃の混乱により多くの仕事をこなしてきたことが原因であろう。だがこれだけはアリスの想定外だった。


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