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33. ダメな子

「どうして・・・」


アリスの手には小銃が構えられていた


「お兄ちゃん、大丈夫?アリスがやったからもう大丈夫だよ」


アリスがやったのか・・・


銃口から放たれた弾丸はナバルの脳天を綺麗に貫いていた


「アリス・・・」


アリスは自分を褒めてくれと言わんばかりにスグルに抱き着く。しかしスグルは目の前の状況に呆然とし心ここにあらずだ


俺は忘れていた


いや、都合よく忘れていたのかも知れない


なぜか目の前にいるアリスが恐ろしい何かに見えてしまう


「よかった。お兄ちゃん無理しないでね」


「う、うん」


妹は天才なんだ・・・天才・・・てんさい・・・


「急にどうしたのお兄ちゃん」


「ごめん、何でもないよ」


俺はいったい何を考えてるんだ・・・今まで何度も人を殺してきたのに


「今、お前たちの大将は討ち取った。引くなら追うことはない」


スグルは早くこの戦いを終わせようと敵に逃亡の余地を与えた。多くの者はナバルの死に戦意喪失している


もとの世界ではアリスを悪用しようとあの手この手で迫りくる敵を容赦なく殺して回った。だけど今はどうだ・・・アリスを狙おうとしている奴なんていない


「お兄ちゃん、なんで敵を逃がすの」


「あいつらは雇われだ。あいつらを殺したところで意味がない」


向かってくる敵を殺すならまだしも、戦意喪失した敵を殺す必要はない


「雇われって・・アリスたちが元の世界で命を狙ってきたのは雇われた人たちだったよ」


アリスのいう通りだ。でも・・・これも俺の甘えなのだろうか


「さすがにアリス言い過ぎた・・ごめんお兄ちゃん」


「いや、アリスが謝ることじゃない」


そう、これは俺のわがまま


「ねえ、アリス、スグル。成功したのになんでしけたツラしてんのよ。早く戻って勝利の祝いを挙げましょう」


ああ、そうだな


「アリス楽しみだな~」




祝勝会の後、アリスは自室にてすぐに行動を起こした



「「アリス様。今回はどのようなご用件で」」


急遽、以前から雇っていた二人を部屋に呼び出す


「マリ、レナ。二人にはライン王国に撤退している兵士を全て抹殺してほしいの」


「「はっ、承知しました」」


お兄ちゃんは優しすぎるんだよ・・・


「アリスってダメな子なのかな」


今までお兄ちゃんはずっとアリスを大切にしてくれた。今度はアリスが幸せにしたい。だからこの世界をお兄ちゃんが自由に生きていけるように・・・


その瞳は悲しみに満ちていた

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