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12. 兄への疑惑

拝啓





私は今、妹と、その友達に尋問されています。寝言の中に女の人の名前が出てきたのが問題のようです。いったい誰なのかと・・そんなことよりどなたか助けてください。


「スグル、今のうちに吐くのが得策よ」


「お兄ちゃんも年頃だから、そういうのはあってもおかしくないんだけどさ。せめて、報告ぐらいしようね」


さっきから何を言っているのかさっぱり。俺、異世界来てからほとんどアリスと一緒だったよね。


「せめて名前のヒントをお願いします」


「アル・・アルファ、アルフィ・・・」


「アルフィアって言ってたよ」


「そう、アルフィアだったわね」


さすが、記憶力オバケ。断定できるところがすごい。アルフィアって聞いたことがある名前だな。


「お兄ちゃん、言い訳は考えなくていいんだよ」


「ちがっ、そういうわけじゃなくて・・・」


何か大切な言葉が出てきそうなんだよな。えっと、


「契約、確か俺がそのアルフィアって人と契約したんだと思う」


「お兄ちゃん、女性と付き合うことを契約と呼ぶのはさすがのアリスでも・・」


「スグル引くわー」


「そうじゃないって。本当に契約したんだよ」


大事な中身は思い出せそうにないが、それでもアルフィアって人と契約したということだけは覚えている。


「一つだけ思い出した。その契約には俺とアリスを異世界に転移させるって条件だったはず」


「ふーん、それならいいけど」


良かった。これで事態は収まった。


「ルミナ、お兄ちゃんのカラダ抑えて」


「りょーかいっ」


「えっ、ちょっ、待ってって」


おいおい、俺の無実はたった今証明されたはずだろう。まあ、特にやましいことはないからいいけど。


「あったあ!」


「ええ!なんであるんだよ」


本当に身に覚えがない。いったい何を見つけたのやら。


「やっぱり、契約の紋章がある。背中に、ほら」


ええっ、どこ、って俺に見えない位置にあったのか。ルミナは、あっ、ほんとだ、みたいな反応をしている。


「お兄ちゃんのこと疑っててごめん」


「私も悪かった」


普段、謝らない二人が謝ってくるとさすがに調子が狂う。


「まあ、別に気にしt―」


「「なーんちゃって」」


ああ、いつも通りでよかった。でもこんな感じだと社会に出たら上下関係というもの知らず、恥をかいてしまうかもしれない。だったら・・・


「二人とも今日の晩飯抜きです」


「「すみませんでした」」


「ちょっとルミナ、謝るときはこのような姿勢で」


アリスがルミナに土下座を教えている。まあ、そこまでしなくてもよかったが、面白いので続けることにした。


「じゃあ、夕飯までその体勢でいてね」


「「うそおお」」


年長者としてたまには懲らしめてやらないとな。



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