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11. 契約

ヤバい・・・結構熱上がってるな。頭痛が酷い


「お兄ちゃん、今日は一日寝ててください」


「いやでも・・・」


2人だけでクエストに行かせるのは少し心配だ


「アリスのことが心配なのは分かってるから、今日はクエストは行きませんよ」


そうか、それなら―


「寝たわね」


「お兄ちゃん、しっかり寝てください」






―あれ、ここどこだ・・・


「おはよう、君と会うのはこれで4回目くらいかな」


「うわっ、いきなり誰ですか」


突然、目の前に怪しいそうな魔女がいる。そして、この白い世界はなんだ。どこまでも行けるような無限のような。頭がおかしくなりそうだ。


「怪しいって、それは女性に対して失礼じゃないかな。あと、ここは君の中に存在する無意識の世界だよ」


俺の心の声聞こえてるぅううううううう


「会うのは初めてだと思うんですけど、もしかしてストーカーですか」


「ん~、あながち間違ってないかもね」


間違ってないのかいっ。でも、少し可愛くないか、しかも少しエロっ―


「いやだ、そんな目で見ないでよぉ」


心の声聞こえてるんだったぁあああああ


「いや、これは、あの、不可抗力で」


なぜか今すぐ死にたい気持ちになっている。


「冗談はこれくらいにして、君と最初にした契約についてなんだけどね・・・」


けいやく?なんの話だ。


「君と君の妹を救うためにこの世界に転移させた。その見返りに私のカラダを探してもらう。っていう契約だよ。」


そうだったんだ。


「ありがとう、俺と妹を助けてくれて」


俺は深々と頭を下げた。あの絶望的な状況を乗り越えられたのは異世界に来たおかげだ。


「感謝はいらないよ、契約だからね」


「そんなことは関係ない。こうしないと俺の気持ちが収まらないだけだ」


今になってなぜかあの時のことをよく覚えている。なぜ今まで忘れていたのだろうか。


「何度か、ここでのことを現実世界に記憶を引き継がせようと頑張っていたんだけど、今度はたぶん・・できそうだよ」


なるほど・・って、心の声が聞こえているとやりづらいわっ


・・・


・・・


「なんか、めちゃくちゃ恥ずかしいんだけど、心の声はどうにかならないのか」


・・・


「いや、何か言えよっ!」


「ふふっ、君は面白い子だね」


からかうなよ、調子狂うなあ。


「君には私のカラダを探してほしいんだけど、たぶん、道のりは険しいよ」


「それでも、約束は守る」


でも俺じゃあ実力不足かも


「君は強いよ、ただ力を使いこなせていないだけ」


「ええっ、俺ってt」


なんだ、周りの白い世界がガラス片のように崩れていく。


「覚醒が近いようね、また会いましょう」


「最後に、あんたの名前は」


「古の魔女、アルフィアよ」


アルフィアか・・いい名前だな・・・






―ん、なんか、あっ


「熱っつううううううううう」


「ごめん、アリスがせっかく作ってくれたお粥こぼしちゃった、てへっ」


「てへっ、じゃないのよ。病人を殺す気か」


こんな最悪な目覚めは初めてだ。


「お兄ちゃん、ルミナをいじめないの」


俺のフォローじゃないのかい。ねえ、お兄ちゃん泣くよ。


「だってさ」


「だってさ、じゃないだろ。コノヤロー」


俺はルミナを全力で追いかけた。でも、部屋が狭くベットの角にぶつかって転んだ。


「あっ、スグル元気だ」


「さすがルミナのおかげだね」


確かに熱も冷めてお腹もすいてきた。でも大事なことを忘れてる気がする。まあいいっか。


「アリス、お粥お願い」


「ルミナぁ、お兄ちゃんがもう一回、お粥かけてほしいだってよー」


「んなわけあるか」


結局、アリスのお粥を食べることができたが、最高においしかった。



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