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10. 新しい仲間

―ちょっと二人とも強すぎるって


「なかなかやるね、ルミナちゃん」


「アリスこそね」


 二人の前に現れた魔物がバタバタと倒れていく。魔法使えるの羨ましいな。てか俺、必要なくね、いや、でも俺には採集の役割がまだ・・・


「ってルミナさん、なにやってるの」


「見て分かんないの、血を吸ってんのよ。魔力補給に最適なの」


いやいや、オークの死体にかみついてるのを見たらさすがに・・・


「えー、おいしそう。アリスもやってみよ」


「やめなさい」


 恐ろしいことを言うな。そもそもこの場面を他の冒険者に見られたら、明日、ギルドの掲示板に討伐対象として俺たちの名前が載るのは間違いないだろう。


「なんか血が足りないなあ」


「そんな目で俺を見るなよ、また魔物を討伐すれば・・・って、おいっ!」


ルミナが俺の首元にかみついてきた。普通に痛いんですけど。あっ、俺、死んだわ・・・


「ルミナちゃん、おいしい?」


「ベリイグッドだぜ」


おいしい?じゃなくて助けてよアリス。


「私もお兄ちゃんのs―」


「ダメです」


えーじゃない。さすがにダメです。


「スグルの血、おいしかったよ」


ああ、このままだといつか貧血で死ぬな。そんなこんなで日が暮れる前に宿舎に帰ることにした。



「先にギルドに行って換金してくるねー」


「アリス、気をつけろよ」


走っていく妹の背中はなんだか頼もしかった。



男一人、女二人が一部屋で過ごすというのは、なんだか気まずい。お金にもっと余裕があればなあ。


「アリスから聞いたよ、母国を再興したいんだってな」


「うん」


 ルミナはこの歳で大きいものを抱えているんだな。実際に何歳かは分からないけど。待って、それより話が続かない。アリスさん早く帰ってきて。


「「—」」


ああ、気まずい。何を話せばいいのやら。今までは、アリスのコミュ力のおかげでなんとか成り立っていたことに気づいた。どう話せば・・・


「「あのっ」」


「お待たせー、って二人でなにしてるの?」


いや、タイミング。


「もう、二人で見つめ合っちゃって。ベットがあるからってエロいことしてたんでしょ」


「「してないわ」」


妹よ、冗談でもそんなこと言わないでくれ。そんな風に育てた覚えはないよ。


「そういえばギルドに認められてD級の冒険者になったよ」


「それじゃあ、もっとこれから稼げるな」


これで宿代もケチらずに二部屋確保できる。


「そうしようと、思ったんだけどね・・・」


アリスさん、ちょっと嫌な予感がするんだけど。


「冒険者としてお金を稼ぐことをゆくゆくはやめにしたいと思います」


「ご冗談を・・」


 これから先、アリスはいったいどうする気なのだろうか。俺には理解できそうもないが波乱が待っていることは容易に想像できる。


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