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09. ルミナ・スプレッド

ルミナの容姿は人間と遜色なく、顔も割れていないため人間の住むこの町では自由に動くことができた。


「私が仲間になったんだから喜びなさい!」


「よろしくね、ルミナちゃん!」


歳が近そうなこともあって、仲がいいな


「ということで、アリスが新しいクエストを持ってきました。3人での初仕事です!」


おお、なんか少しだけワクワクする。最強の妹と魔王候補と、あれ、俺は・・・浮いてね。


「スグル、なにぼーっとしてるの、行くよ」


「お、おう」


こうして俺達三人は冒険に出る。ルミナのことをまだ信じたわけじゃないが、それでもアリスの初めての友達であってほしいと願っている。






―遡ること一カ月前


「いったいこれは・・・」


城の目の前は真っ赤な炎で燃え上がっている。民が住む町はもう跡形もない。つい昨日まで平穏だった町は業火に包まれている。


「爺や、どういうことだ」


「お嬢様、魔人教会の者かと思われます、どうなさいますか」


そんなこと決まってる。でも、いったい何が目的なの。私の殺害?初代魔王の復活にはやっぱり魔王候補をすべて消すことが必要?考えても今の状況は変わらないか。


「ぶっ殺す吸血鬼の女王(ヴァンパイアクイーン)の名に懸けて」


「お嬢様、ご武運を」


私に勝てると思っているのかしら。今すぐに、城に備えてあった重装備を身に着けて戦場に出向こう。


「いったい、ここで何があったの」


「ルミナ様、逃げt―」


私の眷属が一瞬で灰と化してしまった。相当の実力者ね。


「お前が魔王候補で間違いなさそうだな」


「ルミナよ、魔人教会は随分と強引なのね」


奇妙な帽子をかぶった男である。魔力量は互角か、それ以上か。実際にしっかりと戦うところを見ていないのでどんな手を使ってくるか分からない。だったら先手必勝よ―


「血の雨に貫かれて死ね、紅血の雨(ブラッドレイン)


パンっ


「魔法が消された、いったいどうやって」


「せっかくだから、魔王候補だけに与えられた特別なスキルを使うまで待っててあげるよ」


 魔法無効化、さすが魔人ね。私のスキルよりもいいもの持ってて羨ましい。私のスキルはこの状況ではたぶん意味がない。


「えっ、無視?じゃあ殺す」


「殺される気はないわ。ヴァンパイアの生命力を舐めないでね」


勝てない、私じゃ絶対に勝ち目がない。悔しいけど生き延びて絶対に―


「逃げても意味ないよ」


謎の男は一つの国すらも焼き払えるほどの巨大な魔法陣を展開してる。ヤバい、あの大きさはよけられない―


核炎(アトミックフレイム)


あっ―





あたり一帯は焼け野原となった。


ザーザー


「―目的の死亡を確認しました、次の任務に移行します」


「退屈だな、俺も、この世界も」


そして謎の男は暗闇に消えていく。退屈な毎日を終わらせるために。




気が付くとそこは大森林の中だった。


「はぁ、はぁっ、危なかった・・・」


魔王候補である私に与えられた特別なスキル「複製」。国の外に自分の分身体を作っておいて正解だった。相手は私のスキルを見せなくて正解だった。城に保管してあった複数の分身体との接続が切れてるからおそらく消滅したのだろう。


「でも、今の魔力じゃ分身体は作れない、力を蓄えないと」


こうして私は森をさまよった。



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