てすと
【BL】はだかの王様とアヒルの子
作:ハチママ
()送り仮名 [ ] 演技指示と参考に
――情景
―― 王の玉座 ――
側近:「人払いを いたしました」
王:「まさか お前が 今回の反乱の首謀者?!」
側近:「いいえ…
私は、王妃と大臣に
王を殺すようにと仰せつかっただけです」
王:「やはり あの2人が 今回の反乱の首謀者であったか…」
側近:王「貴方は、2人の関係を お気づきだったのですね。
なぜ ほおっておいたのですか?
問いただし処罰することだって出来たのに」
王:「そんなことして 何になる!
そんなことをしても 儂ではない奴に 心を許してる者を繋ぎとめることは出来ない。処罰したとて
自分が惨めになるだけだ」
側近:「貴方は お優しい…だからこそ そこに つけ込まれたのです 」
王:「優しいのでは ない…ただの怖がりの いくじのない男だ 」
王:「お前は 私に不満があったのか?」
側近:「私は、貴方に不満があったわけでは ありません。勿論 あの2人に そそのかされた わけでもないのです」
王:「では 何故?」
側近:「私の意思です!貴方を 他の誰にも殺させたくなかった。他国の者にも あの2人にも。ならばいっそのこと 私の手で…そう思ったからです 」
王:「そうか…意思か 自分の手で殺したいとまで
憎んでおったとは⟵[小声で]
王:……その短剣で 儂を刺そうと言うのか…皮肉なものだな。その短剣はな 婚儀の際
死ぬまで添い遂げようと誓って、妻に贈ったものだ」
ー―少しの沈黙 ぽつりぽつり と語り出す――
王:「儂は、戦いも出来ない
子種すら無い 大臣達の言いなりの 使えない お飾りの王だからな。さしずめ、はだかの王様と言ったところか…」
側近:「では 私は、みにくいアヒルの子と いったところでしょうか…
側近:両親に先絶たれ 絶望しかなかった私に貴方は光を希望を与えてくださったのです 」
王:「抜け殻のような お前を ほっとけなかった。だから 連れ帰り 歳も近かったのでな 側近として 傍においたのだ。 幼き頃から お前は ずっと一緒にいてくれたな」
側近:「白鳥には なれませんね きっと…黒鳥になら なれるかもしれませんが …」
――少しの沈黙――
王「頼む 自害させてくれ!
最後ぐらいは 自分の意思で
自分で決めさせてくれ!」
側近:「そう 仰ると思っておりました。私が 見届けます…」
王:「その短剣では 死んでも死にきれん。自分の剣で逝く。ありがとう… …儂の願いを聞き遂げてくれて……
[腹に剣を刺す ]ぐっ ぐはっ」
側近:「もう これ以上 苦しい思いを
させやしません!
さぁ コレを 飲み込んで 」
王:「毒…か!? お前 …何をしている… 早く吐き出せっ …お前が死んでしまう… 」
側近:「良いのです!私は そうしたいのです!」
王:「お前は …はだかの王様の儂と
一緒に死ぬと言うのか…」
側近:「ええ 共に」
王:「お前は 儂を憎んでいたのでは ないのだな…良かった…
「[ 意識が朦朧、息絶え絶えの状態]
ああ…美しい黒鳥よ… 儂を あの世へと 連れて行っておくれ… 」
側近:「ずっとずっと お慕い申しておりました…愛しています…」
側近:ナレ「最後の言葉は、王に 愛しき人に届いたかは わからない。
美しい ひとしずくの涙と微笑みを浮かべて 彼は 逝った。
私は 、彼の死を約束どおり見届けて 彼の元へと向かった… 」




