没個性

ずっと知るのが恐かった

これまで抱えてきた

孤独とか淋しさとか

痛みとか辛さとか

みんな自分だけのものだと思っていて

でも実は

それ等は誰もが持ち合わせているんだって

みんな自分なりの

孤独や淋しさ

平たく言ってしまえば

闇を抱えながらも

きちんと折り合いを付けて

日々を生きているんだって

それを知ってしまうと

自分の軽さや没個性に気付いてしまうと

狭い世界の中で

身を固めていた僕の居場所は無くなってしまうから

その狭い世界を

奪われる訳にはいかなかったんだ

拘り過ぎだと

根に持ち過ぎだと

たしなめられ様と

僕はずっと

みんなの中に入りたかったけど

拒まれて笑われて足蹴にされて

追い出された先で　生きてきた

今更になって

みんな同じだと

苦しいのも辛いのも

お前だけじゃないと

甘えるなと

みんなに入れられても

嬉しがるとでも思いましたか？

涙を流して喜ぶとでも思いましたか？

余りに幼いかもしれないけど

それこそが原因なのかもしれないけど

僕はまだ抗っています

触れて　知ってしまった広い世界の中で

無個性な自分と　まったく輝く気配すら見せない自分と

日々しぼんで小さくなっていく可能性と

みんな同じ　な訳ないんだよ

それぞれがそれぞれの人生を生きて

歩いてきた中で

背負ったものに　抱えてきたものに

ランクを付けたり一緒くたにしたりなんて

していいはずがないんだよ

みんなが特別を望んだら　みんなが特別になったら

まとまりがなくなって世界が混乱する？

なんでみんな尊いって言っちゃいけないんだよ

なんてこんな叫び自体が

使い古された　青臭い　没個性を極めている

掃いて捨てるほどあるありふれた理想論で

みんなの中に埋もれて行ってしまうのだろうけど