表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/3

課外授業

✿゜❀.(*´▽`*)❀.゜✿

その遅刻魔四人は、今や12年生になった。15年編成のこの学校において、12年生になるということは第一の卒業と考えられている。これを過ぎると結構自由に行動できるようになり、ある授業が追加される。それは、実際に下界へおりてする課外授業だ。そこで、天人の仕事を学んだりしている。天人は、仕事に応じて悪魔か天使の称号を与えられることがある。天使の場合は、


下界の魂を管理する過時塔、


どんなふうにどんな場所で転生したいかなどを聞きいれ、客の魂の要望にそった器をさがして提供する出雲塔、


運命の動きを管理し、客の願いにできるだけ近い運命を見つけ出してその運命と魂を繋ぎ下界に送り出す出月塔、


そして、器の生産、新たな種の追加、進化を促す、最も誇り高き塔とされる夕日塔で働くことで授かる。


悪魔の場合は本拠地を地獄に置き、色々な世界を股に掛けて、ルール違反を犯した魂の回収、下界の様子を各塔に報告など、なかなかハードなためエリートしかなることはできない。そして、悪魔のしていることは言わば人殺しと覗きなので嫌われやすい。結構なブラック企業である。


だが忘れてはならないのが、下界は天人にとっては危険な場所ということだ。下界で、たくさんの天人がよく命を落としている。しかし天人は元々生きていないため、死ぬことは無い。新たな魂を入れる器ができるまで200年ほど暇になるだけだ。そして、命を落とした世界の記憶は全てなくなってしまい、下界でしなければいけなかった仕事が全てやり直しになる。しかも200年分の仕事も、職場によっては終わらせなくてはならない。とってもつらい。ちなみに200年という時間は、下界の人々の感覚にすると約1ヶ月である。


そんな訳で、今日は12年生の初課外授業だ。課外授業は、学校で過ごしている生活班で分かれて受けるようになっていて、ご想像どうり四人は同じ班である。然し

「なんでこんなとこでも此奴と一緒なの?最悪」(夏)

「本当に。僕も貴女となんて最悪です。まさに不幸中の不幸ですね。」(冬)

「フーリ、ハク、落ち着いて!」(春)

「仲良くしよ【笑」(秋)

「なんで笑ってるの?!」(春)

きっと授業前から大喧嘩している班はここだけだろう。すると、一つの班がこちらに近づいて来た。

「うわっ。底辺のだく班が醜い争いですかぁ?」

「仲良くしなきゃダメですよ?」

「そうそう。ただでさえだく班なんだから【笑」

「「だく班じゃない!!!」」(夏・冬)

だく班とは、入学式に大遅刻をしてきたこの班に、「だいちこく」の「だ」と、「く」をとってつけられたあだ名だ。

入学式の事件のあと、全学年で『遅刻』という行いについて授業があり、正しく理解した生徒達の一部は、フーリ達をアホな班だと決めつけバカにするようになった。

フーリとハクは、バカにされるよりもこのあだ名がどうしても嫌いで、遅刻したことを互いの所為だと思っているようだ。それ以外でも何かと二人はぶつかり合い、犬猿の仲となっている。

一方でコーキとオトカはフレンドリーで明るい為、凄く仲がいい。フーリとハクのこともとても良い奴だと思っている。

コーキはハクと、オトカはフーリとよく絡んでいるらしい。


この近ずいてきた班はコーキ達と同じく10年生、だく班の名付け親で、

アレン、ボッテ、カレン、ドーテ、通称アボカド班である。

この班のあだ名は仕返しにとハクとコーキが付けたのだが、生憎ネーミングセンスがあったようで、自分から名乗るほど気に入られてしまった。腹立つったらありゃしない。

「いいねぇ、だく班は気楽で。もう落ちる成績がないから【笑」(ア)

「そ、そんな言い方ないよ!私はみんなのことすごいなって思ってるし…」(カ)

そんな二人の会話を聞いていたフーリとハクは、

「そんなことありませんよ。此奴(フーリ)さえいなければ学問においてあなた方の倍は上ですから。」(冬)

「たしかに、此奴(ハク)さえいなければ実践訓練などでアボカドは私達の足元にも及ばないからね!」(夏)

どんどん悪役に近ずいている仲間たちにオトカは

「なんでもっと喧嘩の幅を広げようとするかなぁ?」(春)

とイライラしたように言った。コーキはそんな様子に違和感を感じた確かに二人は仲が悪いが、こんなにあからさまになることは少ない。オトカも、このように怒りを露わにすることは珍しい。そうしていると、誰かが叫んだ。

「静かに!」

(˙◁˙)パパパパァ

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ