第77話 秋葉原デート。
文化祭が終わって。家に帰ってきた。
俺はソワソワしたまま、夕食の時間を迎えてしまった。
「お兄ちゃん。」
「は。ミワどうした?」
「はって何よ。」
「そういえば、今日、ずっと神埼くんと一緒だったのか?」
「うん。」
ミワの顔が赤い。ミワも恋してるのか!?
「神崎君ね、お兄ちゃんと同じ学校に行きたいんだって。お兄さんに宜しくって言ってたよ。」
「そうなんだ。ミワは今日楽しかったか?」
「うん。」
「一緒にいて楽しいとさ、好きって、似てると思うか?」
「そうだなぁ。って急にどうしたのお兄ちゃん!」
「いや、聞いてみただけなんだけどさ。」
「ふーん。」
「今日、しずるおねぇちゃんと一緒にいたでしょ!?」
「ぶっ!なんで知ってるの?」
「いや。見かけただけなんだけど…。あやしい。」
「なんだよ。ミワだって神埼くんと一緒だったんだろ?」
「そ、そうだよ。」
僕もミワちゃんとこうやって、文化祭回れて嬉しいって神埼君に言われたことは内緒だ。
「どうだった?」
「どう?って?」
「すき、だったりするのか?」
「好きだったとしてもお兄ちゃんには内緒だよ。」
と言って席を立ってしまった。
母さんが、何々恋バナ?なんて話しに入ってこようとしたときには、もう夕飯を食べ終わっていて。
「ご馳走様。」
と席を立った。
すぐるくん冷たい~。なんて言っている母さんを尻目に、自分の部屋に戻った。
はぁ。
秋葉原でデートなんて、どこ行こう。
考えれば考えるほど、緊張してきた。
そうだ、風呂に入ろう。
ブクブクブク。いつもより、なぜか念入りに洗った。
だが、なぜ、3時に待ち合わせなのだろう。
本当に、俺の自意識過剰だったらどうしようと考えるだけで、恥ずかしくなってくる。
月曜日の、学校の準備をした。
予習復習も終わってしまった。
ネットで、秋葉原の地図やデートスポットなどを調べるが、メイド喫茶なんて入っていいか分からないし、調べるのを断念してしまった。
仕方ないので筋トレをして、ベッドに横になった。
なぜか、寝れない。
汗をかいてしまった。
明日、もう一度、シャワーを浴びようと思い、
しばらくして眠りについた。
眠りについて、
「ばぶー。」
デビルちゃんが俺の顔にかぶさってきた。
「わ~!」
「あはは。すぐる、デビルちゃんに気に入られてますね。」
デビルちゃんはキャッキャと俺のひざに乗っかってきた。
愛らしくてかわいいなぁ。
「昨日は文化祭楽しかったです!」
かぐやが言った。
「ああ。来てくれてありがとう!」
きのうの、しずるが思い出された。
はぁ。
「どうしたんですか?すぐる。」
「いやぁ。明日、秋葉原でデートなんだ。」
「楽しみじゃないんですか?」
「いや、なんだか、気が張っちゃって。」
「いつも通りでいいじゃないですか。」
「そのいつも通りが難しくて。」
いつのまにか、ひじりさんがテーブルに座っていた。
「そうなんだよな。意識すれなするほど、気になっちゃうんだよな。」
うんうん。
「そうなんです。彼女が俺のことを好きか分からないのに、自意識過剰だったらどうしようって思うと気が気じゃなくて。」
「振られたら傷つくしな。」
「そうなんです。」
「彼女だって、きっと同じだよ。振られたら傷つくし。今までの関係が楽しかったんだろ?その延長でいいと思うけどな。」
「そうなんですよね。変に意識しちゃって。」
「まあ。困ったら、うちの店においで。」
「ありがとうございます。」
ムーンをワシャワシャしたり、デビルちゃんと遊んだりしているうちに気が紛れた。
ひじりさんも、チーズケーキを作ってくれ、ベリーソースとミントの香りを楽しんでいたら、朝が来た。




