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第73話 明日は文化祭。

文化祭の用意をしている。

夢の中のコウモリは、一体何だったのだろうと、考えていた。

「すぐるー!この、お花飾っちゃうよー。」

「ああ。しずる、お願い。」

「なんだか、元気ない?」

「そんなことないよ。」

「ふーん。」



「あ、早乙女さん、家庭科室へ行って、クッキーの様子を見てきてくれない?」

学級委員の佐々木さんが言った。

佐々木さんは、看板をつけるのに忙しそうだ。

「はーい。」

しずるは、家庭科室へ行った。





しばらくして、

「ねぇ。宮古くん。早乙女さん帰って来た?」

「いや、まだだと思うけど。」

「ちょっと家庭科室見に行ってもらえない?」

家庭科室では、クッキーを焼いているはずだ。

仕方ないと思いながら、俺は、家庭科室へ向かった。


『早乙女さん、付き合ってください!』


え?誰かしずるに告白してる。

屋上へつながる階段を降りようとしたら、しずるに、知らない男の子が告白していた。


『えーっと。ごめんなさい。知り合ったばかりだし…。』

『では、友達から、お願いします。』

『私、好きな人いるから。』

『僕に入る余地はないですか?』

『気持ちは嬉しいんだけど、ごめんなさい。』


ガタッ。

あ、やべ。

しずると男の子がこちらを向いた。

「ごめ。覗くつもりじゃなかったんだけど。」

「すぐる!」

「き、きみは、だれですか?」

「あ、おれ?家庭科室行くから。」

「あ、わ、私も家庭科室行く!」

「早乙女さん!」


そう逃げるように、家庭科室へ来てしまった。

出来上がったクッキーを持って、教室へもどる途中に、

「ごめん。覗くつもりはなかったんだけど。」

「ううん。来てくれて嬉しかった。」

「しずる、すきなやついるんだな。」

「そ、それは…。」

「いや、無理に言わなくていいよ。応援してる。」

「すぐるのバカ。」

「え?」

「すぐるのバーカ。」

「なんだよ。」


教室に着いた。

「よーし。クッキーも出来てきたし、準備も終わりに近づいているな。Tシャツを配るぞー。」

学級委員の菅原がTシャツを配り始めた。

1-10

喫茶店

と書いてある。

「すぐる!みんなお揃いだね。」

しずるが言った。

「そうだな。」

「明日、楽しみだね。」

「そうだな。」

「なんか、やっぱり、元気ない?」

「ああ。いや、元気だよ。明日文化祭だしな。」

「す、すぐるは、明日誰と文化祭回るの?」

「え?特にいないけど。」

「じゃあ、一緒に回ろうよ。」

「え?いいけど、だれか誘う?」

「んもぅ。」

「へ?」

「誘っても誘わなくてもどっちでもいいよ。」

ふん。と行ってしまった。

おかしなしずるだ。

でも、モテるんだなー。

そう思っていると、

「すぐるー。」

ともよしだ。

「女子によー、クッキーの味見してやるって言ったら、くんねーの。明日買えってさ。」

「そうなんだ。」

「すぐる、明日、文化祭、誰かと回るの?」

「ああ。しずるが一緒に回ろうって。」

「ヒューヒュー!俺は、バスケ部と回るとするか。」

「え?一緒に回らねー?」

「いいよー。しずるっちと仲良くいってらっさい。」

「しずる、他のクラスの男子に告白されててさ。」

「しずるっち、可愛いからな。」

「いや、俺と回るのでいいのかな。と、思ってさ。」

「あははは。きみ、鈍感ですな。しずるっちが回りたいのはすぐるなんだろ?しずるっち、だれかにとられちゃっても知らないぞ。」

「いや、でも…。好きな人いるらしいし。」

「バッカだな。じゃあ、気になるなら、聞いてみたら?」

ぷくくく。

と、ともよしに言われた。

じゃあ、明日聞いてみようかな。と、思うすぐるだった。

すきなやつと回らなくて良いのだろうか…。


ちょっと、寂しいと思ったことは秘密だ。






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