第72話 魔神から貰った土③
~ツゥルルルル~
ひじりが鬼神に電話をした。
「はい。こちらは魔界の秘書、ティアリーでございます。」
「こんにちわ。ティアリーさん。秋葉原の神のひじりです。」
「こんにちわ。ひじり様。なにかありましたでしょうか。」
「それがですね…。かくかくしかじか。」
「そうでありましたか。」
「魔神さんはいらっしゃいますか?」
「少々お待ちくださいませ。」
「もしもし。魔神だ。」
「もしもし。ひじりです。」
「お久しぶりです。実は…かくかくしかじか。」
「そうであったか。いや、かぐやさんには一番良い土を渡しまして。もしかしたら、そちらの世界のエネルギーと相まって、新しい命が産まれてしまったのかもしれないな。」
「魔界では、とてもいいエネルギーを吸収して、悪魔が生まれることがあるのだ。迷惑をかけたようで悪かった。謝罪の品を贈っておく。」
「じゃあ、デビルは、夢の世界のエネルギーと魔神さんからもらったエネルギーで産まれたってことですか?」
「そうゆうことになる。」
「そうなのか。ありがとうございます。また、何かあったら、連絡させてください。」
~チーン~
電話をおいた。
「ひじり様。いかがでしたか?」
「デビルちゃんは、魔界と夢の世界のエネルギーから生まれたようだ。」
「そうなんですか。」
「執事さんは、これからどうしたいとかありますか?」
かぐやが聞いた。
「そうですね。子育てを一人でするのは不安でいっぱいです。」
「そうですよね。じゃあ、しばらく、ここにいますか?」
「いいんですか?」
「はい。困ったときはお互い様です。」
かぐやがにこやかにそういうと、
「ありがとうございます。」
ほろりと涙を流していた。
洞窟の中の子育ては大変だったようだ。
「じゃあ、市役所に登録しに行くか。」
~市役所~
「こんにちは。」
「こんにちは。新しく住人になった、デビルと執事でございます。しばらく、赤い屋根のお家に滞在します。」
「そうですか。こちらがお金になります。」
「ありがとうございます。」
「これで、晴れて、夢の世界の住人ですね。」
かぐやと、ひじりも、優しく出迎えた。




