第70話 魔神から貰った土
「ふぅ~。みんな、手際がよかったね。」
「みんな、新しい家喜んでましたね。」
「みんな、作物もたくさん抱えてました。」
「ワンワン!」
すぐるたちは、テーブルの上に置いてある果物を食べながら話していた。
「これで、小学校や幼稚園にも、人が増えるな。」
ひじりさんが、お腹すいたな、と、立ち上がってパスタを作ってくれることになった。
お湯を沸かして、塩を入れた。
パスタを茹でている間に、
サンマの切り身をニンニクでオリーブオイルと炒めている。
トマトを入れた。
ぐつぐつ。
いい香りがしてきた。
ざっ。
パスタを湯ぎりして、ソースに絡めた。
庭に生えてきたバジルをとってきて、パスタに散らした。
「はい。出来上がり。」
ひじりさんのトマトさんまパスタ!美味しそう!
「ひじり様ありがとうございます!」
「いただきます!」
「ワンワン!」
フォークでくるくる巻いてパクり。
うーん。絶妙な塩加減とニンニクの風味が相まって美味しい!
バジルの香りもとてもマッチしている。
ふぅ。
すぐ食べ終わってしまった。
「すぐるくん、お代わりいる?」
エプロン姿のひじりさんが、お代わりをよそってくれた。
「ありがとうございます!」
ちゅるるるー!
「ひじり様、わたしもお代わりほしいです!」
ひじりさんのパスタは大人気だった。
お腹もいっぱいになって、そろそろ、現実の世界に帰ろうとすると、一匹のコウモリがやってきた。
「あれ?コウモリなんて作った気はないんだけど…。」
と、俺。
「なんだか、天気も悪くなって来ました。」
と、かぐや。
「あれー。なんか混じったのかな。」
と、ひじりさん。
「わぉーん。」
ムーンも心配そうだ。
「ひとまず、すぐるくんは、時間だから、現実の世界に戻ってもらって、かぐやっちと調査してくるよ。」
「すみません。」
「気にしないですぐる。報告するから、待っててね。」
そう言ってもらい、俺は、朝を迎えた。
現実の世界に起きた俺は、PCの画面を心配そうに見つめた。
~夢の世界~
夢の世界では、ひじりさんとかぐやが話していた。
「あっちのほうの山の素材はどこから持ってきたの?」
「神様会議の時に、魔神さんと仲良くなって、魔神さんからもらったんです。」
「じゃあ、やっぱり、なにか混じってたのかもしれない。見に行ってみよう。」
「はい。」
方向は秋ヶ谷の方だ。
黒っぽい雲がもくもくしている。
「何が混ざっちゃったのでしょうか…。」
「わおーん。」




