第68話 日曜日。早乙女しずるの家⑤
VRでVRゲームを楽しんだ後は、卓球をすることにした。
カコンカコン。
シュッ!
菅原がスマッシュを打った。
「きゃ!」
佐々木さんが、空振りした。
カコンカコン、えい!
佐々木さんが、ホームランを打った。
「菅原君、上手いです。はぁはぁ。」
佐々木さんは息が切れてきた。
菅原も、おでこの汗を拭っている。
スマッシュ!!
菅原のスマッシュが決まった。
卓球では、菅原が勝利を収めた。
今度は、ミワとしずるだ。
「今度は負けないわよー!」
とミワが意気込んでいる。
しずるは、
「卓球は久しぶりだわ。」
と話している。
カコンカコン、しゅたっ。
カコンカコン、しゅたっ。
二人ともラリーが続いている。
お!ミワがスマッシュを打った。
てい!しずるがひろうも、オーバーしてしまった。
二人ともうまいな。
ミワがバックハンドを打った。
しずるがカットして、
ミワがスマッシュ。
ミワがサーブして、しずるがスマッシュ!
すごくいい戦いで白熱した。
後一歩のところで、ミワが勝った。
「はぁ。負けちゃったわ~。」
「今度は勝ちました。えっへん。」
ミワは嬉しそうだ。
佐々木さんが、
「もう、こんな時間なのね。」
と時計を見ながら呟いた。
「本当だ。」
時計を見ると、午後4:30だった。
外は、太陽が傾きかけ、かぁかぁとカラスも鳴いている。
「じゃあ、そろそろ、帰り支度かな。」
「あ~楽しかった。また、やらせてくれな。」
菅原が言った。
「サーフィンや水族館も満喫できて、最高だったわ。」
と、佐々木さん。
しずるも、
「あっという間に時間が経っちゃったわ~。」
と言っていた。
VRを片付けて、
「じゃあ出口まで、案内するわね。」
としずるが言った。
それにしても、広いお屋敷だ。
「今日はお邪魔しました。」
佐々木さん。
「いいえ。また、あそぼうね!」
としずる。
「しずるおねーちゃん、今日はありがとう。」
「こちらこそ。」
「じゃあ、しずる、また明日学校でな!」
「うん。みんな気をつけて帰ってね。」
バイバーい。またねーとしずるとお別れした。
しずるが手を振っている。
手を振りかえしたら、投げキッスをしてきた。
あ、恥ずかしそうに家の中に入った。
ミワに、
「良かったね。」
と、ニヤニヤされてしまった。
駅で、菅原と、佐々木さんとも別れた。
「今日はとても楽しかったです。こんなゲーム作ってしまうなんて、本当にすごいです。」
「ほんと。」
菅原と佐々木さんが褒めてくれた。
「また、やらせてくれな!」
「もちろん!」
と言って二人と別れた。
「さて。ミワ、家に帰るか。」
「うん!」
と言って俺たちは家に帰ることにした。
家に帰ると、
「ただいまー。」
「ただいまー!!」
「すぐる、ミワおかえりなさい。」
父さんがテレビを見ていた。
母さんは夕飯の支度をしていた。
「お腹すいたー!」
ミワは、テーブルに着くと、
「今日ね、お兄ちゃんとお友達の家に行って来たんだー。しずるおねえちゃん、っていう可愛い子なんだよ。」
「あら。このあいだ、うちに来たって話してた子?」
「そーだよー。」
ミワ、母さんに話してたのか。
父さんも
「なんだ、すぐるも、隅におけないな。」
なんて言っている。
「今日、父さん休みなの?」
「そうなんだ。新しい星が見つかって、ここのところ忙しかったんだ。」
「へぇ。そうなんだ。」
父さんは、宇宙開発の仕事をしている。
母さんが、トマトシチューをよそってくれた。
久しぶりに家族一緒のご飯に、いろいろな話の花を咲かせた。




