第65話 日曜日。早乙女しずるの家②
VRを繋ぐと、町の地図を見せた。
□西のほうには、魚駅。
白い壁、青い屋根のアパートやマンションが並んでいる。
□手前に田んぼ駅。
刈り取ってしまったが、広大な田んぼが広がっている。
□ムーンの砂浜前駅。
いつもの、赤い屋根のおうちや、ムーンの砂浜、水族館がある。
□ここから、北のほうに、市役所前の駅があり、
□秋ヶ谷の駅にはゲームセンターがある。
□ムーンの砂浜前駅から市役所に行く途中に、かぐや小町商店街がある。
□ムーンの砂浜前駅から東に行くと、砂浜とお花畑が広がっている。
「どこか、興味のある場所ある?」
「こんなに広くなったんだ!」
ミワとしずるが驚いている。
「この間は、田んぼと畑で収穫したんだよー。」
「へ~。収穫したんだ。」
「あ、赤い屋根のお家に、サーフボードが立てかけてある。」
「じゃあ、海で遊ぶ?」
「賛成!」
「誰から、VRつけるか。」
「私はこの間もやったから、菅原君と佐々木さんどうぞ。」
「そうだな。」
「え?いいんですか?」
「ありがとうございます。」
そういってVRをふたりは受け取り、ゴーグルを装着した。
俺はPCをダブルクリックして、赤い屋根のお家に飛んだ。
赤い屋根のお家に行くと、
ムーン、かぐや、ひじりさんがプールで遊んでいた。
テレビの画面から、
『やあ。すぐるくんのお友達かい?』
と聞こえた。
「今日は、友達連れてきました。」
テレビ画面のモニターに話しかけると、
『そうなんだ。ぼくはひじり。』
『わたしはかぐや。』
『ワンワン!』
こっちのわんこはムーンって言うんだ。
『ワン!』
「すごい!リアルー!!」
「ひじりさんや、かぐや、ムーンと一緒に、これ作ってるんだ。」
「そうなんだ。私は佐々木かおりです。」
「僕は、菅原さねよしです。」
「早乙女しずる。」
「宮古ミワもいまーす。」
『宮古ミワさん、ということは、妹さんかい?』
ひじりが聞いた。
「そうなんです。妹なんです。」
『そうなんだ。じゃあ、みんなで楽しんで行ってくれ。』
とひじりさんがウインクした。
佐々木さんが、
か、かっこいい…。
と呟いている。
イケメンに弱いのかな。
あ、しずるも可笑しそうに、佐々木さん見ている。
お、菅原も、なんか焦ってるぞ。
両思いなのか!?
そんなこんなで、海に遊びに行くことにした。
~ピコーン~
水着に着替えますか?
→はい
いいえ。
「みんな、はいでいいよな。」
「はい。」
「はい。」
女の子たちはちょっと恥ずかしそうにしていた。
佐々木さんと菅原さんは、初めてのサーフィンだ。
あ、ひじりさんも来た。
ひじりさんが教えてくれるみたいだ。
VRをつけて、剣道場でサーフィンに乗る真似をしている二人は、まず、腹ばいになって、海に出て行った。
波に、ボードを立てようとすると、
「きゃー!」
佐々木さんが、菅原にダイブした。
「佐々木さん、大丈夫ですか?」
二人が抱きかかえるような形になり、二人とも照れているからか、顔が赤い。
「す、菅原君ありがとうございます!!」
「いや、ケガない?」
「はい。」
二人とも、まんざらじゃないのかな。
しずるとミワと俺は、にやけてしまった。
ひじりさんも、口笛を吹いている。
二人は慌てて、離れ、砂浜に戻り、もう一度チャレンジしていた。




