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第57話 高校生活。何気ない一日。

キーンコーンカーンコーン。

授業の終わりの鐘が鳴った。

「んー!」

と、俺は伸びをして、次の授業の準備をしていた。


トントン。

肩を叩かれた。

振り向くと、

ムニ。

しずるの人差し指がほっぺたをさした。


「引っかかったー。」

いたずらに引っかかってしまった。

「痛いんですけど。」

「ごめん。ごめん。」

しずるは、俺の後ろの席に座ってきた。

「ねぇ。ねぇ。今週の日曜日、うちに来ない?」

上目遣いで言われた。

ドキッとした。

「え?ああ、ゲームの?」

「そうそう。」

にこっとしている。

「テレビ、用意しておけばいーい?」

「おう。よろしく!」

「わかった。ともよしくんや、佐々木さん、学級委員に伝えてくるね!」

ルンルンと聞こえてきろうな、足取りで行ってしまった。



次の時間のチャイムが鳴った。

「授業始めるぞー!」

と先生が入ってきた。

俺は数学の教科書を開いた。



『すぐーるくん!』

『わっ。ひじりさんですか?』

『ちょっと、近くまで来たから、来ちゃった。』

外を見ると、木の枝に、ひじりさんがいた。

『町、すごく広くなったね!お礼を言いに来たよ。』

『そうですか?1000人くらい移住できますか?』

『もちろんだよ。かぐやも喜んでたよ。』


「じゃあ、次の問題。宮古と佐藤、解きに来てー。」

先生が言った。


『じゃあ、また、夢で会おう!』

そういって、ひじりさんは消えてしまった。


先生に指されたので黒板に、問題を解きに行った。

ともよしが、チョークを持ちながら、唸っている。

仕方ないので、ノートを渡してやった。

『おっ。さすがすぐる!ありがとな!』

と、俺のノートを見ながら板書していた。



席に戻ると、手紙が置いてあった。

開くと、


~日曜日の件~

学級委員の二人はオッケーだって。

ともよしくんは部活。

ミワちゃんは来る?


しずるより。


と書いてあった。


ミワに聞いておく。

と書いて、先生が黒板のほうを向いているすきに、えい!としずるに渡した。




~放課後~

文化祭も近づいてきているので、手の空いているものは、文化祭の準備をしていた。

看板には、1-10 喫茶店の文字があった。

Tシャツも、このデザインでいいかどうか、学級委員がTシャツを掲げている。


メニューも、クッキーにチョコを入れるだの、紅茶味にするだの、議論されていた。


おれはというと、お花紙でお花を作り続けていた。


「お花いっぱいできたね。」

佐々木さんだ。

「なんだか、おれ、黙々と花作ってるよ。」

「綺麗に作ってくれてますね。私はお花の裏に両面テープ張ってこうかな。」

「ああ。よろしく。」

佐々木さんのメガネの外した姿を思い出した。

コンタクトにしたらモテるだろうな。

「ん?宮古君、私の顔に何かついてますか?」

「いや、大丈夫。」

何が大丈夫だ。

「日曜日、聞きました。楽しみにしてますね。」

「おお。」




自宅に戻ると、母さんが夕食の準備をしていた。

「すぐるーおかえりなさい。」

「ただいま。」

「夕食、すぐできるわよ。」

「はーい。」


ガチャン。

ミワだ。

「ただいまー。」

「ミワ、汗びしょびしょね。お風呂入ってらっしゃい。」

「はーい。」


夕食のときにミワに、

「日曜日、しずるの家に行くけど来るか?」

「え?お邪魔じゃないの?」

ニヤニヤされた。

「ばかいえ。みんなでゲームするんだよ。」

「そうなんだ!いきたーい!」

「じゃあ、返事しておくから。」

「おにいちゃん、ありがとう。」




夕食を終え、風呂に入り、予習復習をした。

「あ~!今日も充実した一日だった。」

そういってベットにもぐりこんだ。




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