第53話 文化祭の準備②
俺たちは、荷物を置きに教室へ戻った。
分かりやすいように、箱に並べて、教室の後ろのほうに並べた。
「ちょっと僕トイレ行ってきますね。」
菅原が席を立った。
すかさず、しずるが、
『ねぇねぇ。佐々木さん、菅原君のことが好きなの?』
『え!そ、そんなんじゃ、ないんですけど。す、素敵だなって。』
『えー。どの辺が?』
『いつも、クラスをまとめているところとか、さりげなく優しいところとか。』
『えー。それ、好きってことだよー。』
と、話していた。
俺、全部聞こえちゃってるけど…。
『早乙女さんは、す、好きな人いるんですか?』
俺は耳をダンボにした。
『んーとね。いるけど、内緒。』
内緒か。ちぇっ。って、ちぇってなんだよ俺。
「ふ~スッキリ。あれ、なに話してたんですか?」
菅原がハンカチで手を拭きながら、戻ってきた。
「え、えーっと。」
「中学の時に部活なにやってた?って話。」
しずるが、佐々木さんにウインクした。
「へぇ~何部だったんですか?」
「わ、私はバドミントン部。」
「私は剣道部。」
「俺、はテニス部」
「すぐる、テニスやってたの?かっこいいじゃん!」
「す、菅原君は何部だったんですか?」
「サッカー部」
「え?サッカー部だったの!?」
「はい。意外ですか?」
「いやー。勉強一筋!かと思ってたよ。」
「この、厚底メガネそう見えますよね。」
またメガネをはずして拭き拭きハンカチで拭いている。
スチャ。めがねをかけた。
佐々木さんが、ほえ~としている。
「サッカー好きなんですが、サッカーで食べてくには目が悪くてですね。趣味程度にすることにしました。」
やー、子供のころはサッカー選手になりたい!だなんて思ってたんですけどね。
なんて話していた。
「私もメガネかけてたんだけど、高校入ってから、コンタクトにしたんだ。コンタクトにしないの?」
としずる。
「僕、逆まつげなんです。」
「菅原君、私もなの。」
「え?佐々木さんも?」
逆まつげだと、コンタクトしにくいのか。
「私、佐々木さんのメガネとった姿見てみたい!」
えいっと、佐々木さんのメガネをしずるが取り上げた。
「きゃっ。早乙女さん返してください。」
まさかの、佐々木さんも、なかなか可愛かった。
「こらこら。早乙女さん、めがねかえしてあげてください。」
「菅原君ありがとう…。」
「ごめんごめん。佐々木さん、可愛いね。」
しずるがいうと、頬を赤くしていた。
「さて。買い物も終わったし、おつりを先生に返して帰りますか。」
菅原が立ち上がった。
「そうね。文化祭楽しみね。」
「そうだな。」
皆で職員室に行き、帰ることにした。
下駄箱でともよしに会った。
「今帰り?買出し行けなくてごめんな。」
「ううん。学級委員の菅原と佐々木さんが手伝ってくれたから大丈夫だよ。」
「そっか。ありがとう。だから、四人でいるのか。」
「おーい!佐藤!片付け逃げるなよー!」
「あ、マネージャーだ。わりー!!トイレー!!」
マネージャーが、
「わかったー!」
と返事していた。
「また今度、ゲームしにお邪魔させてくれよ!しずっちも行きたいだろ?」
「行きたい!」
「ああ。知り合いと、町を広げてるから、またみんなであそぼう。」
と、話していると、
「宮古君ゲームやるんですね。」
と佐々木さん。
「ゲームしてるのに、成績負けた。」
と、菅原。
「菅原と佐々木さんも招きたいけど、うちじゃ狭いなぁ。」
「じゃあ、うち来る?」
しずるが言った。
「おーいいの?」
「いいよ。うち、剣道場があって。そこでやる?」
「剣道場なの?」
「そうなのよ。」
「じゃあ、日程はおいおい決めますか。早くもどらねーと、マネージャーに怒られる。
「おう。ともよし!またな。」
「おう。じゃーな。」
それにしても、しずるんち剣道場があるのか。すごいな。
四人で駅まで帰り、じゃあ、また!と言って電車に乗った。




