第52話 文化祭の準備
夏が過ぎ、だんだん涼しくなってきた。
中間テストが終わり、いよいよ、文化祭の準備も忙しくなってきた。
「今日、買出しにいける人いる?」
しずるがメンバーに話しかけた。
「わりぃ。部活あるんだ。」
ともよしは部活のようだ。
他のメンバーも習い事などがあり、行けないようだった。
学級委員にそのことを伝えると、学級委員と佐々木さんが着いてきてくれることになった。
「じゃあ、ホームセンターに行きましょうか。」
佐々木さんが言った。
「職員質の前に、中間の順位が張り出されたそうです。宮古君。今回は負けませんよ。」
学級委員の厚底メガネくんが言った。
「順位競ってるわけじゃないんだけどなぁ…。」
「せっかくだから見に行ってみましょうか。」
佐々木さんがそういい、職員室に寄ってから行くことにした。
「すごい!すぐる、3番なの!?」
しずるが言った。
「しずるだって、10番じゃないか。」
「ま、また負けた…。」
学級委員は4番だった。惜しいな。
しくしくしく…。
「泣くなよ…。」
メガネが曇ってしまい、ポケットからハンカチを取り出して拭いた。
「え?菅原君、メガネ外すと、イケメンじゃない!?」
しずるが言った。
「え?そ、そうかな。」
学級委員もとい、菅原が言った。
なぜか、佐々木さんが赤面している。
「宮古君と、早乙女さん、下の名前で呼び合ってるんですか?」
「ま、まぁ。」
俺は、照れてしまった。
「そうなの。」
しずるがてへっと舌を出した。
じゃあ…私も、菅原君の下のお名前で呼ばせてもらおうかしら…。
と佐々木さんからボソッと聞こえたような気がしたのは気のせいだろうか。
佐々木さんも、結構厚いメガネをかけているが、素顔は見たことないなぁ。なんて思った。
先生から、お金を受け取り、ホームセンターに向かう。
「何がいるかしら。」
「板とか、布とか、ペンキとかだね。」
「とりあえず、四人で持てる分を買おうか。」
俺たち四人は、お店に向かった。
「菅原。Tシャツのデザインとかは集まったのか?」
「はい。続々と集まってます。」
喫茶店と書かれた下に、コーヒーの絵が書かれたものや、
いらっしゃいませ!1-10まど、俺らの組がかかれたものなど、多数あるらしい。
「な、なんか、ダブルデートみたいですね。」
「「え?ダブルデート!?」」
佐々木さん、さっきから赤面しているけと、そんなことを考えてたのか。
菅原も赤面してしまった。
「あ、ごめんなさい!気にしないでくださいッ。」
佐々木さんが赤面したまま、手をあわてて振って否定していた。
「すぐるー。ダブルデートだって。」
しずるは面白そうにしている。
ホームセンターに着くと、カゴの中はすぐいっぱいになってしまった。
お花紙に、布に、ペンキに板に、…。
たくさん買い込んだな。
「さぁ。戻ろうか。」
「佐々木さん、重たいだろ、軽いほう持って貰っていいかい?」
菅原が話しかけると、
「はい!ありがとうございます!」
嬉しそうにしていた。
しずるが、
『ねぇ。ねぇ。すぐる、佐々木さんって菅原君が好きなのかな。』
「え?」
『ふふふふ。』
と面白そうにしている。
佐々木さんがぁ…?と思ったが、そうなのかもしれないと思った。
「私たちの秋葉原デートはいつ行く?」
「え?」
デート!?
「君たちそういう仲なんですか!?」
「羨ましい。」
菅原と佐々木さんがこちらを見ている。
「この間、すぐるのうちにも行ったの。」
キャッっと、しずるは両手で顔を隠す振りをした。
「ば、ばかやろー。ともよしも、妹のミワもいただろうに!!」
俺は恥ずかしくなって、ついそう言った。
その様子を見てしずるが、
「あははは。」
と笑っていた。




