第49話 学校の体育館にて。
「おーい。すぐるくん。」
「ひじりさーん。」
体育館に着くと、ひじりさんと、かぐや、ムーン、三郎さんとすみれさん、ミシェルさん家族がいた。
100人くらいの転生者の中には、服が千切れていたり、傷がある人もいた。
「すぐるー。三郎さんたちも呼んでくれたんだね!ありがとう。」
「ワン!」
「傷がある人もいるな。ミシェルさんにお願いしようか。」
皆で協力して、傷がある人はミシェルさん。
一人か、二人連れは俺。
家族連れはひじりさん。
子供たちはかぐやとムーン。
お腹がすいてたりする人は、三郎さんとすみれさんにお願いした。
「はーい!列になってください!」
その場に座りながら話を聞いていく。
一人目は、引きこもりだった人で、人生をやりなおしたい人だった。
マンションをあてがい、ミシェルさんの診療所の受付の仕事をお願いした。
「仕事、頑張ります!」
周りを見ると、お腹をすかせた子や、病気だった人の話を耳にして、引きこもっている場合ではないと、引きこもりの憂鬱さが少し晴れたようだった。
二人目は、夫婦で結婚したてだが、津波で家ごと流されてしまった人だ。
前世は、会社員だったそうだ。
俺は、次の転生者が来たら二人に手伝ってもらうように伝えた。
とりあえず、マンションに住んで、食事のことは、三郎夫妻に聞くように伝えた。
三人目は、いじめを受けていた中学生だった。
まだ中学生なので、ミシェルさんに相談すると、一緒に住もうという話になった。
しばらくは、子供たちと仲良くして欲しい旨を伝えると、笑顔だった。
他のみんなも、日本家屋やら、マンションやら各々向かってもらい、表札を書いてもらうように伝えた。
仕事の内容もそれぞれあるので、自分のペースで進めてもらうように伝えた。
マンションの場所や、畑の場所、学校や幼稚園などを口頭で伝え、落ち着いたら、見に行ってみるように勧めた。
「ふぅ。終わりましたね。」
「子供たち元気でした。」
「ワン!」
「じゃあ、赤い屋根のうちに戻るか。」
皆で、歩きながら戻ることにした。
赤い屋根に戻る途中、
「これから賑やかになるね~。」
「ワンワン」
なんて話していた。
「いろんな人がいるんですね。」
すぐるがひじりに話しかけた。
「まぁね~。これが仕事でもあるから仕方ないんだけど、天災とか、戦争が起こると大変なんだよ~。あの世でも、あんまり酷い傷を負った人は、転生に時間がかかるんだ。」
「今回は、傷の浅い人を選んできたつもりなんだけど、ショックとかはなかったかい?」
「はい。」
「それはよかった。」
「じゃあ、僕は赤い屋根のうちや砂浜でくつろぐとするかな。」
と言って、ひじりさんはソファーにもたれ掛かっていた。
神様も大変なんだな…。
と思うすぐるであった。




