第47話 VRで収穫体験
「すぐるー!!これ、めっちゃリアルだな!」
「おにいちゃん!本当に砂浜にいるみたい。海、澄んでて、とっても綺麗だね!」
「あそこに、赤い屋根のお家が見えるだろ?あそこまで、歩けるか?ダブルクリックして移動してもいいぞ。」
「じゃあ、練習を兼ねて、歩いてみるか!」
「ミワ、ともよし、立ちながら、その場で足踏みしてみ。」
「わー!!動いた!!」
テレビとノートパソコンもミワと、ともよしの動きに合わせて移動した。
「おっとっと。やっと赤い屋根の家に着いたな。」
「ともよしお兄ちゃん、本当。結構運動になるね!」
「すぐるー!赤い屋根の家に入りますか?って表示があるけど、入るか?」
「一旦、入ってソファがあるから休憩するか。」
「分かった。」
ミワと、ともよしはソファーに着くと、ふぅと、一息ついてVRを外した。
「お兄ちゃん、これ、すごいリアルだね。」
「ほんとうだな。」
ミワと、ともよしは興奮を隠せない様子だった。
「見せて見せて!」
しずる、さんもVRを覗いた。
「わー!本当だ!窓の外は畑になっているのね。」
そういって立ち上がった。
「そこに籠があるから、収穫してきていいぞ。」
「本当だ!じゃあ、行ってくるね。」
しずるは、かごを持って外にでた。
テレビにしずるの目線の画像を映した。
しずるははしゃいで、トマトやら、ナスやら、とうもろこしなどを収穫して戻ってきた。
「わ~こんなに採れたよ!!」
しずるも大興奮だった。
赤い屋根のお家のリビングのテーブルに、それらを置くと、VRを外した。
「収穫楽しい!」
「それは良かった。じゃあ、みんなで、お米を収穫しに行きますか?」
「「「はーい!」」」
俺は、ダブルクリックして、三郎さんと、すみれさんのお宅の前に飛んだ。
『こんにちわ』
ノートパソコンで、玄関をクリックした。
『やあ。すぐるくんじゃないか。これから、お米の刈り取りに行くけどくるかい?』
と三郎さんが画面に写り、コメントしていた。
『友達もいるので連れて行きますね。』
『分かった。道具はこれを使ってくれ。』
~ピコーン~
麦わら道具や、借り入れ道具を装着しますか?
→はい
いいえ
俺は皆に、
「じゃあ、VRをつけて、これ装着するか。」
「おう!」
「うん。」
ミワと、ともよしがVRをつけた。
ミワと、ともよしが装着したみたいだ。
「じゃあ、田んぼにいくぞ。」
「おう!」
田んぼに着いた。
ミワと、ともよしは、黄金色の稲の景色に、ほえ~と見入っていた。
画面を見ていたしずるも、広い~と呟いていた。
「それじゃあ、みんなで刈り取って行くけど、埒があかないから、10倍速設定でいくぞ!」
「んなことができるのかよ。わかった」
ともよしがカマで、ザクッと稲を刈り取るしぐさをした。
「おーい!刈り取ったら、どうするんだ?」
「しょいこの籠しょったろ?そこに入れていってくれ。」
ミワと、ともよしがザクザク刈り取っていった。
しばらくして、ふ~。腰が痛い。
VR越しだが、中腰で作業していた二人だ。
「じゃあ、私に代わって。」
今度はしずるが刈り取るようだ。
「結構たくさん刈り取ったな!!」
「そうだね。」
「じゃあ、そろそろ、三郎さんちに戻るか。歩いてく?」
「いや、飛んでくれ。」
みんな、疲れた様子だ。
じゃあ、行くよ。
~シュン~
『おかえりなさい。どうぞこちらへ。』
三郎さんが出迎えてくれた。
俺は、刈り取った稲を渡した。




