第40話 里に転生者を招く準備
その日の夜、小テストの復習を終え、
んー!!と伸びをした。
やっぱり、日本史と世界史、苦手なんだよなぁ。
トントン!
「はーい!」
「お兄ちゃん。この問題教えて。」
ミワだった。
仕方ない。
「問題見せて。あ、これかー。これがこうなってこう。」
「なるほど、なるほど。こうすればいいのか。」
「これでいいか?」
「ありがとう。あと、お兄ちゃん、土日って予定ある?」
「日曜日は友達が来る予定。」
「え?彼女?」
ニヤリとされた。
「違うよ。まぁ、一人女の子だけど…。」
「お兄ちゃん、ヒューヒュー。」
「何だよ終わったなら出てけよ。」
「いやいや、あのね、じゃあ、土曜日、テニスに付き合ってくれない?」
「ああいいぞ。」
「やった!」
「中間テストの前で、部活休みなの。」
あぁ、だからともよしも休みなのか?
「じゃあ、久しぶりにテニスするか。」
「うん。やった!楽しみにしてるね。」
そういって、ミワは部屋から出て行った。
そろそろ寝るか。
俺はベッドに横たわり、目を瞑った。
わ~実りの秋だな。
俺は、赤い屋根のお家のソファーから窓を見た。
外に出ると、心地いい風が吹いている。
「すぐるー!!」
「ワンワン!!」
「すごいよ。たくさん、いろんなものができて、収穫追いつかないよ。」
「そうだな、倉庫作ったほうがいいかな。」
「状態保存をかけた小屋作ると腐らないですよ。」
「そんなことができるのか。」
「倉庫は、家の隣にするか。えい!」
念じると、立派な倉庫ができた。
念のため、ねずみ返しと。
あとは、状態保存になりますように、と。
「わ~立派ですね!!」
「ワンワン!」
「あ、そうだ、かぐや、俺の友達がVRで収穫手伝ってくれるって。」
「それは頼もしいです。すぐるのお友達にお会いできるなんて嬉しいです。」
「そうだ、すぐる、このあいだ神様会議に行ってきたら、他の神様も遊びに来たいって言ってたよ。」
「そうか。じゃあ、収穫手伝ってもらうか?」
「うん!伝えてくる。」
かぐやはシュンと光に包まれどこかに行ってしまった。
それと、変わりばんこに、
「やぁ。」
光に包まれた、ひじりさんがやってきた。
「わっ!こんにちわ。」
「驚かせてしまったね。突然なんだけど、この間の神様会議で、かぐやと君の評判がとても良かったよ。」
「そうなんですか。」
「ここに、転生したい人もざっと1000人くらいいるよ。」
「1000人!?」
「そうなんだよ。大人気だな。」
「100人くらいかと思ってました。」
「上神も最初そう言ってたんだが、なかなか評判が良いみたいで、僕も嬉しいよ。」
「秋葉原の方は忙しくないんですか?」
「まぁ、まずまずなんだけど、こっちの世界も好きでね。」
「そうですか。」
そう言われると、悪い気はしない。
「どう、どこかに集落作っとく?」
「そうですね。どこにしよう。」
「山の麓から、田んぼの辺りがいいんじゃない?」
「そうですね。俺、100人くらいのイメージだったんですが。」
「家族で移住したいって希望の人もいるから、とりあえず100人一人づつじゃなくて、大きな家と小さな家、50くらい作っておく?」
「そうですね。やってみます。」
えい!と念じてみた。




