表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/81

第35話 茅葺き屋根の夫婦

「見事な田んぼですね!おじいさん。」

「そうだな、ばあさん。」

気付けば老夫婦がそこにいた。


「初めまして。すぐると言います。」

「あなたが、すぐるさんですね。宜しくお願いします。」

二人と挨拶した。


「すぐるくん、二人の移住先に案内してくれるかな。」

ひじりさんが言った。

「見事な畑ですね。」

老夫婦は、広い畑にも驚いていた。

「まだ、住人はこのメンバーだけなんですよ。」

俺は、老夫婦に説明した。

「そうなんか。」

おじいさんが答えた。


「あそこに見える茅葺き屋根のお屋敷がお住まいになります。」

「ほーっ。こんな立派な屋敷に住めるのか!婆さん、嬉しいな。」

「本当ですね、おじいさん。」


食べ物なんかは自由にしていいことなど、一通り説明をして、水族館のほうも案内した。

「おや、魚が取り放題だね。」

おばあさんがまたまたビックリしていた。

「ビックリしすぎて、こりゃ、また寿命が縮んでしまうかもな。カッカッカ!」

おじいさんも笑っている。


「それなんだが、すぐるくん、おじいさんとおばあさん、若返らせてあげようと思うんだ。」

ひじりさんが言った。

「そんなことも出来るんですか!」

「ああ。すぐるくんが念じてくれればできるはずだよ。」


「おじいさん、おばあさん、何歳くらいになりたいですか?」

「それじゃあ、欲をかいて、二十歳くらいかな。畑仕事もはかどるじゃろうに。」

「わかりました。」

すぐるは目をつむって、若返るように念じた。


目を開くと、老夫婦が光に包まれ、若夫婦になっていた。

「三郎さん!」

「すみれ!」

二人は大喜びだった。

「また、あなたを愛しますわ。」

「俺もだ!すみれ!」


その二人を俺たちは温かく見守った。


「ちなみに、他に欲しいものはありますか?」

俺は、若夫婦に聞いた。

「そうですね。布だったり、木材だったりでしょうか。」

「じゃあ、最初の材料は僕がプレゼントするよ。」

えい!とひじりさんが、用意してくれた。


「今後の材料のために、林と山と、竹、綿なんかもいいかもね。」

と、ひじりさんが、ウインクした。

「わかりました!」

また、目をつむって念じると、辺りが眩しく光って、山や、林ができた。

動物なんかも、うさぎ、しか、いのししを思い浮かべておいた。


「ひじりさん、ひつじとか、牛、ニワトリなんかも必要かな。」

「そうだな。赤い屋根のお家の側に家畜小屋も作っておこう。」

「動物増えるんですか?賑やかになって、嬉しいです。」

かぐやも嬉しそうだ。


「何か困ったら、赤い屋根のお家へ来て下さい。」

そう、若夫婦に告げ、赤い屋根のお家に戻った。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ