第32話 土曜日、VRを買いに秋葉原へ
今日は学校が休みだ。
図書館に行こうかと思ったが、VRが気になって秋葉原へ行くことにした。
畑を作った次の日の夜は、かぐやが地球に来たいって言ってたなぁ
そんなこと出来るのか聞くと、ひじりさんによれば出来るそうだ。
ただ、限られた場所だけとのことで、赤い屋根のお家にいることが多いようだ。
かぐやは神様だが、地球のことはあまり知らないようで、ひじりさんから、絵本やら図鑑やらを買ってもらい、読んで貰っていた。
その姿を見ると、歳の離れた兄弟か親子のようでほのぼのしてしまう。
そんなこんなで、電車に乗って秋葉原に着いた。
いつも行く、電気街に足を運んだ。
VRって高いのかなぁと思っていると、
「やぁ!」
聞き覚えのある声だった。
「あれ?ひじりさん!」
こんな、普通に秋葉原にいていいのだろうか。
「ここ、俺の店。」
微笑んでそうゆうと、
「ええ!?俺、良く来てましたよ!」
「うん、僕もすぐるくんのこと小さい頃から見守ってたよ。」
そういえば、父親に良く連れて来て貰っていた。
「ええ!見てたんですか?」
「ああ。でも、まさか、かぐやが選んだ人がすぐるくんと同一人物だと思わなかったよ。」
いやー、親子連れは昔は珍しかったからねと、店の中に招き入れてくれた。
店の中は冷房が効いていて涼しい。
「二階に上がろう。」
二階に案内してもらうと、
「すぐるー!」
「ワンワン!」
また聞き覚えがある。
かぐやとムーンだ。
「すごい地球にいる。なんか、信じられないなぁ。」
「うふふふふ。ひじりさんに連れてきてもらっちゃいました。」
とても嬉しそうだ。
「かぐや、何をしてるの?」
かぐやは大きなメガネを手に持っていた。
「VRってゆうそうなんです。」
「VR?」
ひじりさんを見ると、ニカッと笑っていた。
VRのメガネを着けてみると、まるで、夢の中の世界だった。
「これ、ひじりさんが作ったんですか?」
「そう。こうしておけば、すぐるの友達とも遊べるでしょ。」
「すごい。」
「これ、すぐるくんの分。」
「え!?くれるんですか?」
「ま、俺、神様だからな。大切にしてくれよ。」
「ありがとうございます!」
俺は、メガネを覗いてみた。




