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第19話 ともよしと俺
「はよ!」
ともよしだった。
「夢、続き見れた?」
「あ、ああ。」
上履きを変えながら、返事をした。
「あ、大丈夫だって。ゲームの話ってことにしとこうぜ。」
ともよしはバスケ部で、サバサバしたタイプだ。
登校口で、夢の話なんて恥ずいとゆう気持ちを悟ってくれたようだ。
「それがさ。」
階段を登りながら、ともよしに昨日のことを話した。
「お前、すっげーな!!」
「声大きいって。」
教室に着くかいなか、大きな声で言うものだから目立ってしまった。
「ひみつ、にしといてくれよ。」
「わかってるって。」
「何々?宮古くんと、佐籐くん、内緒話なの?」
「あ、ゲームの話。な、すぐる。」
「お、おう。」
「宮古くんもゲームやるんだ?意外。」
「こいつ、秋葉原で、もごもご。」
「さ、早乙女さん、今日日直じゃない?」
「佐川くんが言った、秋葉原が気になるけど、仕方ない。また今度教えてね。」
「あ、ああ。」
「ぷくくくく。」
「ともよしぃ~。」
「だって、二回も同じような夢なんて、すげーよ。」
こそっと耳打ちして、ともよしは、じゃっと手で合図して自分の席に着いた。




