第二十三話「心の奥底」
……こんなことになるなんて思ってもいなかった
あんな結末だれが予想できるだろうか
「心！ しっかりしろ！」
「……スズメ」
「翔太郎を迎えに行くぞ」
「……でも、私のせいで恐怖を感じたら」
「心、たとえそうだとしてもお前じゃないとあいつは元に戻んねぇぞ」
「たとえあいつの心が壊れても、元に戻してやるんだろ？」
……そうだあの時そう約束したじゃないか
私は馬鹿か！ 大馬鹿だ！
私じゃなきゃだめなんだ！
「スズメ行くわよ」
「おう！」
「霧雨、仁美2人は危ないから帰ってて」
「……心ちゃん」
「そうさてもらうよ、僕まであんなバツ受けたくないしね」
「霧雨……！」
「怒んないでよ仁美君、君も僕と一緒に帰るよ」
「僕達がいても邪魔なだけさ」
霧雨は悲しげな顔でそう言った
それを見た仁美は驚いてしぶしぶ受け入れた
「……ごめん心ちゃん私も帰る」
ここはどこだろう、なんで僕はここにいるんだろう、暗くい部屋に僕はポツンと立っている
なんでだろう、ここにいてはいけない気がする
僕には帰る場所がある気がする、帰らないと行けない場所がある気がする
「おーい翔太郎、生きてる？ それとも生きながら死んでるかー？」
聞き覚えがある、歳をとったご機嫌な声が聞こえた
聞いていると腹ただしい気持ちになる
「……誰？」
「おっいい感じ、これじゃあもういいな」
「すいませんここから出ていいですか」
「お前まだ喋れるのか……」
「あの邪魔なんですけどここ暗くて嫌です」
「それはダメだお前はこれから……」
僕はこの人の話を遮って部屋を出た
僕もなぜこうしたのかはわからないでも僕の足はどこかへ向かっていた
「心！ どこへ行くんだ！ こっちだ！」
「まってスズメ！」
「おいこら！ 関係者以外は立ち入り禁止だぞ！」
「構うもんか！ 心やってやれ！」
「ええ！ ……スズメ武器がない！」
「仕方ない、突っ切るぞ！」
「侵入者だ！ 誰か応援を頼む！」
……騒がしいな
でも聞き覚えがある声だ
僕声がする方に引き寄せられてった
「どきなさい！ 翔太郎！ どこにいるの！」
「この野郎！ つついてやる！」
「お前らどこから入ってきた！ 出ていけ！」
「すいませーん警備員の上司さんあなたの部下あなたのカツラ影で笑ってますよ！」
「なんだと！？」
「「嘘です！ 思ってません！」」
「あっ！ 部長！ 逃げました！」
初めて能力あって良かったって思ったかもしれない
「ナイス心！ みんな揉めてやがるぜ！」
「よっしゃ！ 後ろは全員もう追ってこない！」
「心！？ 前前！ 誰かいるぞ！」
「へっ？ ぶつかる！？」
急いで止まったからバランスを崩して心は床に体を打ち付けそうになった
が、前にいた人がうまく受け止めてくれた
「大丈夫ですか？」
「ありがとうございます……って翔太郎！？」
「そうですが何か？ あなたは僕を知ってるのですか？」
「……あっ」
翔太郎……やっぱり
「心！ 大丈夫だ！」
「シンさんとう言うのですね……」
「……そうよ」
「シンさん僕の帰る場所を知っていますか？ 僕は多分帰るべきとこがあるのです」
「それはこんな薄暗いとこではなく、あったかくてやさしい所だったきがするんです」
「……！！」
「知ってる！ 知ってるわ！ 一緒に行こ！」
「どうして泣いているのですか」
「なんでもない！ なんでもないの！」
