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第十九話「他人の考え」

おはよございます、現在北未来市の気温は-12°とても寒いです。今日は最高気温が3°最低気温が-12°今日も寒い中お勤め頑張ってください。


「しーんー、いま7時40分だぞー」

「髪の毛OK、歯磨きOK、忘れ物なし。 よし完璧」

「スズメ、翔太郎にご飯あげておいてねー」

「はいはい、バス乗り遅れるなよ」

「それじゃー学校行ってきます」


心が普通に学校へ行くようになった気がする。

いつもなら


「学校か.......だるいな、この世から消してやろうかしら.......」


なんて言いながら、家を出ってたのになぁ

人の成長って凄いと思う、俺みたいな奴らは人間の成長並の成長ができない。 出来損ないは出来損ないのまま。そしてそのまま破棄されていく。

だから、俺があのまま誰ともパートナーになれなければ、今頃........。


「スズメーお腹空いた」

「朝起きて朝の挨拶をしない奴にはやらねぇぞ」

「おはよう! おはよう! スズメ!」

「はいはい、そこにあるから食べな翔太郎」

「いただきまーす」


翔太郎、スレンジャーの時は腹立つやつだと思ってたけど、今はそうは思はない。

前は立場的な問題や、俺が単に避けていたって言うのもあって話したりすることは無かったが、

今はそんな問題もないし、なんかいい感じになってると思う。

それにこいつも、俺と同じ三石實貴男に作られた存在相当な人生を送ってきたと思う。

あのクソ野郎から開放されたのは喜んでやっていいのか悲しんだ方がいいか解らないが、今のこいつはなんだかいい顔をしていると思う。



「ぎゃー! 卵付いた!」


.......ちょっと鈍臭いけどな


「大丈夫だそれくらい、俺が洗っといてやるよ」

「サンキュースズメ」

「そーだ、テレビ消しといてくれー」

「はーい」


.......次のニュースです。

先月から行方不明になっていた、笹島澪夜さんが

今朝未明に発見されました。

警察によると、笹島さんは喋る事も出来ずただ座っているとの事です。


「.......あっあの子」

「俺もこうなっちゃうのかな」


テレビには目は死んでいて、絶望した表情を浮かべている彼女が映し出されていた。

その彼女がテレビの中から俺を見ていると思って俺はテレビを消した。

彼女とは直接関係は無いけれどあのゲームで罰ゲームを受けた人間はすべて俺に憎しみを抱いていると考えてるんじゃないかって思っている。

人が心を壊した時の表情は忘れたくても、忘れなれない。

親父に作られた物は殆どがこの心をもたない、この心を持ってしまった俺は、親父の中で多分不良品、破棄する存在なんだろう。

だから俺をスレンジャーっていう俺とは別の人間に仕立てあげたんだろう。

でもそのスレンジャーもあいつの思い通りにならなかった。だから親父は俺を商品としてこき使い壊れたら捨てる気なんだろう。


「俺の心が壊れる前に、二人に恩を返して置かなきゃな」


俺の出番は明日、まだ時間はある。

親父は絶対次の戦い俺が負けるように仕向けてくる。

そして、俺を絶望させるために、今まで以上の罰ゲームを用意してるはずだ。

もしかしたら俺はこの空間に帰ってこれないかもしれない。

そうなるのは嫌だけど、仕方ないよな。


────だから心とスズメには本当のこと全部話そう。

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