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第一話「始まりのファンファーレ」

「レディースアンドジェントルメーン!」

「さぁさぁこれから始まるのは!グロくもなく!よく有る閉じ込める系ゲームでもなく!そして!死なないただただ普通のゲームです!」

「えっ?そんなんじゃ物足りないって?」

「ワガママ言うなよー。参加者にベットしてその人が勝てば金がたんまり貰えるんだからさ!」

「でもでもーそんな人達のために! 負けた者へのお仕置きがあるんだよなー!」

「早く始めろだって? うるさいなぁこれもいちおう言っとかなきゃいけない決まりなんだからさ」

「じゃあ始まるよーノースウォッチングゲーム!」


キャアア!待ってた!早く早く!うぉーーー!


「おおっとガヤがすごいね!」

「今回は新人も入るからみんな期待してね!」





「さぁ心ゲームの始まりだ! 気張ってこうぜ!」

「なんも説明もしないでいきなり? 何なのこれ?」

「ノースウォッチングゲームだ」

「それは聞けば分かるわ、内容を教えて」


ノースウォッチングゲームとは簡単に言えば競馬だと言う。観客が参加者にお金をかけて参加者が勝てば金が手に入る。そして負けたものには罰があるという雀が言うには楽しいゲームらしい。



「……私はお金ないんだけど」

「馬鹿か心お前は参加者だよ」

「私が?」

「それと俺は雀じゃねぇ。ストロニア・ズーデンシトロ・メインズゲルトだ」

「略したらスズメね」

「だー!それでいい!いいか心!俺はお前の心を読む力があるそれを戦闘に行かせ」

「俺はサポートするからがんばれよ!」

「これが心が踊り狂う事?」

「そうだ!楽しみだろ?」

「全然。これ人の見世物じゃない私になんの楽しむ要素があるの? 私帰る」

「無理だ!もう俺とお前でエントリーしてある」

「ええ! やだ! 帰る!」

「それではー!参加者よ決戦のフィールドへ!」


きらめく光に包まれ私はいつの間にかとある場所へ飛ばされた。


「ここは・・・・スズメは?スズメどこにいるの出てきない!」


「俺はここだよ」


何処にいるの?声がするだけでスズメの姿は私にはみえない。今私が見えている物は、見知らぬ街の景色と私がいつの間にかもっているこの剣だ。


「だから!ここだって!」

「まさか、この剣?」

「俺らのデビュー戦がんばろうぜ!」

「私、剣使えないんだけど」

「ゲーム好きだろ?剣くらい使えないのか?」

「あのねぇ!ゲームはコマンド入力だから私は剣使ってる訳じゃないの!」

「何だって!?ゲームの中に入ってやってる訳じゃないのか?」

「どこの世界の話よ!」


「はいはーい!参加者諸君気分はどうかね?」

「今回の参加者は4人!期待の新人はどんな活躍をするのか?ワクワクするね!」

「今回は4人のバトルロイヤル戦!勝ったものにはポイントを負けたものには罰を!」

誰に賭ける?俺は最強の戦士キリカゼ!

ワシは雪の女王ミレィじゃ。

私は忍者トロイにしますわ。

新人はねー、まだ実績がないしねー。やっぱ実績ある方だよね。

「新人ちゃんには中々賭けないねー?みんなさっさと決めてねー!」



「心、勝って俺達をベットしなかった奴を見返してやろうぜ!」……ここでも私は誰からも期待されないのね。

実績が無いものは何もやらせてもらえない。何もかも才能がある人間がやってしまう。才能がある者がそんなに偉いのか。才能がない人間はいくら努力しても才能がある人間に追いつかないのか。本当に理不尽だ。


「おい!心聞いてんのか?」

「ごめん少しぼーっとしてた。」

「他の奴も能力持ちだ、お前だけが持ってるわけじゃない。」

「ここの参加者たちは何らかの力を持っていて、それを俺たちみたいなブキコットに見つけ出されたいわゆる選ばれしものだ。」

「ブキコットっていうネーミングセンスはすこしおかしいと思うわ」

「うるせぇそれはどうでもい」

「で?ほかの参加者はどんな奴らなの」

「氷を操る女と消えるオカマと怪力の男だな。」

「色んな能力があるが俺はお前が一番強いと思うぜ!」

「ふーんなんで?私、戦闘経験ないし」

「俺の目にビビッときたんだこれは多分運命だ。」

「こいつなら俺を使えるってな!」

「理由にはなってないけど。」


でもこんな風に私以外から期待されるのは、嫌な気持ちじゃない。いつ以来だろうこんな気持ちは。


「心どうした?急に笑って」


期待されない私が期待されてる奴を蹴落とすか・・・悪くないわね。


「すごーい!上手くなったね!」

(はぁ、やっとここまでか、まだ上手くないけどまぁやってけるわね。)

「ここ分かる?うんおっけね」

(分からるならちゃんとやれよこのクズ)

「涼子ちゃん上手!今度の大会は一緒に出よう!」

(心よりこっちの方がいいわねあのグズはもう必要ないわ)



……嫌なものを思い出した。

きっと私の事を気に食わない人間が私のことを邪魔したいのね。

私が誰かに期待されるなんておかしいものね。

……でもねぇ! この気持ちの高まりは誰にも止められない!


「心!?大丈夫か?」


私の事を、期待して私の心を満たそうとしてくれるこの人を喜ばせたい。出会ったばかりだけど、私の事をこんなに思ってくれている。私もこの人の期待に答えたい!


「大丈夫よスズメ。私の心を踊り狂わす準備は出来ているかしら?」


私は強気にこう答えた。私人の心を読めるけど自分の心は読まれたくないもの。


「やる気になったようだなそうこなくっちゃ!」

「それではゲームの始まりだー!スターーーーートゥ!」


司会者の合図とともに始まりのファンファーレが流れる。私の初めての戦いを景気ずけるように。

私とスズメの戦いを応援するように。

私は必ず勝つ自分の心を満たすために。

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