第十三話「三石翔太郎」
魅惑の赤い君が乗るその白い雪の野原、そして甘い口ずけけを交わそう。
初めてであった時から僕は君の虜さ、口の中で広がるクリーミーな味わい.......一日十個限定プレミアムショートケーキ好評発売中
「.......なんちゅうCMだよ」
「こんなので食いたくなるやつなんていないだろ」
「ぎゃー!!!!! 」
台所から心の叫び声が聞こえた。
俺は心のこんな声聞いたことないと思い台所にんで行った。
「心なにかあったのか?」
「.......スズメあたしに何か言うことあるわよね」
「何だ何だ? 俺はお前に隠し事なんてないぞ」
「ほぅ? じゃあこの1日10個限定のいちごケーキのいちごだけ、食べられてるんだけど何か知らない?」
「知らねーよ! つかお前何買ってんだよ! あのCM気持ち悪くて買う気なくすだろ!」
「CMはともかく味は抜群なんだよ!」
「つかよ、いちごだけ食べるやつなんていないだろ!」
「私が学校から帰ってきたらいちごが消えてたのよ?」
「そして、今日1日中家にいたのは」
「そう! スズメお前だ!」
「違う! 俺じゃない!」
「俺は今日1日中テレビを見てたんだぞ!」
「じゃあ誰なのよ。 まさか知らない人がうちに入ってきたなんてこと無いわよね」
「俺は知らねぇ! テレビを見てたから知らん!」
「だったらお前だな、さぁ私のプレミアムないちごを返せ」
「心! 違うよ! 俺じゃない!」
「おーけーおーけ、私が着替えるまで時間を与えるよ」
「着替えるまでに謝れば許してやろう、謝んなかったら私と全面戦争だ」
「ちょっ! 心」
「私の気持ちは変わんないわよスズメ.......」
私は、スズメを睨みながらクローゼットを開けた。
でも開けたらそこにあったのは、私の服じゃなくて、ボロボロのスーツを着た男の子だった。
「ぎゃあああ!!!! いちご泥棒!」
「心! やっぱ俺じゃ無かっただろ!?」
「うわぁぁぁぁ! ごめんなさい!」
「ごめんじゃないわ、私のプレミアムないちご返しなさい、そして何人の家に入ってんだ警察に突き出すわよ?」
「それは困るよ! 心ちゃん!」
「.......心ちゃん?」
「.......」
「なぁ、スズメ私を心ちゃんって呼ぶのは誰と誰と誰だ?」
「霧雨と仁美あとは」
「スレンジャーだけだ」
「さぁここでスズメに問題だ、今日霧雨は先生にキレられて職員室で反省文」
「仁美は生徒会の仕事」
「今日、暇なのはだーれだ?」
「そんなの仕事を失ったスレンジャーしかいないだろ.......はっ!」
「いや、はっ! じゃないから」
「というか、なんで家知ってるのよ、三石翔太郎」
「いやー面目ない、家を追い出されて仕事も失いお腹も減ったので、スズメちゃんにこっそり乗って心ちゃんの家に転がり込んだわけさ」
「いったいどこでスズメに乗ったのよ」
「今日の朝心ちゃんの学校」
「どうして私の学校を知っているのかしら?」
「それは、秘密」
「気持ち悪いけどまぁいいや。いちご返せそれか、限定十個のやつ買ってこい」
「無理だよ! 気持ち悪いCMのせいで買う人が本気でケーキが好きな人しか買わなくなってもあのケーキのファンはいっぱいいるんだよ!」
「.......心こいつもあのケーキ買ってるみたいだぞ」
「ふむ、同志だったようね。仕方ないわね今日は許してあげるわ」
「ありがとうございます」
「いやいや! ダメだろ! つかスレンジャーなんでここに来たんだ!」
「実は.......二人とも助けて下さい」
スレンジャー公爵もとい三石翔太郎は、父親である三石實貴男にあのあと家から追い出され、スレンジャーだった時の全てを奪われたらしい。
「それで? 私たちに何を頼みたいの?」
「えっと、それは、えっと」
「何だかこいつ、ステージの時と違うぞ」
「うん、あっちの方も腹立つけど、こっちのなよなよした感じもちょっとイラつくわ」
「それは、いちご食われたからだろ」
「関係ないわよそれ」
「二人揃ってなんなんだよ!」
「あーごめん本題話して」
「はぁ.......」
「君たちに頼みたいのは、俺と手を組んで協力しこのゲームをぶっ壊すこと」
「前と同じような事じゃない」
「.......あれは本当の俺じゃないって言うか、
なんというか.......」
「えっ? なに? めんどくさい感じのやつかしら?」
「二重人格で、性格が入れ替わるとかそんな感じの言い訳は聞かないわよ」
「そんなの、この科学技術が発達したこの世界でもありえないことなんだからね?」
「......いや、それが有り得るんだよ」
「いやいや! ありえないから!」
「.......俺がかぶってた帽子あるじゃん、あれかぶると何だか気分の性格が荒々しくなって」
「なんというか自分が危ない感じになるんだ」
「そしたら、レディースアンドジェントルメーンとかあんな恥ずかしいこと出来たってわけ?」
「.......そうだよ」
「俺は本当はあんな狂ってるキャラじゃないし、人々を苦しめて嘲笑うなんてことしたくない!」
「なにより、人を苦しめた時の一瞬見える怒りの表情あれが怖くて嫌なんだ!」
「それなのに、俺は! 俺は.......!」
「言ってることが胡散臭い」
「俺は、翔太郎の事が信じられないな」
「だって、あんな酷い罰ゲームを考えて負けた奴にやらせるんだぜ? あんなのまともじゃない奴しか出来ない」
「普通の人間がやれば心が震え、足がすくみ何も出来なくなる」
「確かに、スズメ言う通りよ」
.......でもこいつの言ってること多分嘘じゃないのよねぇ
スズメには、わかんないだろうけど
あの会場にいた彼と今ここにいる彼、同じ人だけど同じ人じゃないって私には分かったんだよね。
「でもねスズメ、今ここにいる三石翔太郎はあのスレンジャー見たいに奇妙な人間かしら?」
「心、何を言ってるんだ?」
「家に入ってきた時点で奇妙な人間だろ」
「.......」
「.......スズメ、私良いこと言おうとしてたんだけど、何でそういうこというかなぁ?」
「えっ? えっ?」
「はぁ.......私はぽんこつが相棒でホント苦労するわ」
「心ちゃん俺のこと信じてくれるのかい」
「信じてるんじゃなくて信用して上げるのよ」
「貴方の心の叫びが嘘ついてる風には聞こえなかった」
「ただそれだけよ」
「心ちゃん.......!」
「その心ちゃんって呼び方やめてよ、いまのあんたじゃその呼び方は前の時より気持ち悪いから」
「あはは、ごめん.......」
「しょぼくれないでよ! 普通に心ってよんで、私も変な呼び方せずに翔太郎って呼ぶからさ」
「わかったよ、心」
「.......じゃあ更めて」
「俺と協力してこのゲームを壊してほしい力を貸してくれないか」
「うん、お断りします」
「「ええええっ!!」」
「いやいやまて! 心今の流れはいいよっていう流れじゃん! 俺身構えたよ、これから忙しくなるぜって思ったよ!」
「そうだよ! てっきり俺も翔太郎一緒に頑張ろって言うとおもったよ!」
「いや、私だってこのゲームは嫌よ? でもね正当方で壊さない限りは意味無いもの」
「優勝してお願いごとで、このゲームを綺麗さっぱり終わらせるって言わない限りこのゲームは終わらないわよ?」
「それはそうだけど.......」
「ね? だから一緒に戦うんじゃなくてそれぞれで一番を目指して危なくなったら助けてくれる、そんな感じの関係でいいんじゃない?」
「それもそうか。うん、そでいいよ」
「ええ、じゃあ、話もすんだしそろそろ帰って」
「それなんだけど.......帰る家がないからここに泊めてもらうことは」
「帰れ!」
「そんな! 酷いよ心!」
「いやいや、無理だから! お前の心からすき焼き食べたいだとかシャンプー使っていいかなとか!」
「変な欲望が聞こえてくるから!」
「頼むよ心、友達だろ!」
「その変のネカフェにでも泊まってろよ!」
「俺お金ないもん」
「心、多分ボロボロの姿のやつを警察に送っても心がなんかの事件に巻き込んだとかって思われたりするぞ」
「あー! もういいわ! 私の部屋に入らずリビングにいること! それが条件よ!」
「ありがとう心!」
「ぎゃー!抱きつきかけるな! お前自分の性別わかってんのか!」
「ごめん、久々の普通の生活と友達だったからつい嬉しくて.......」
「どんな生活だったのよ.......」
「心、やっぱり俺はこいつの事奇妙なやつだと思うぜ」
こうして、相澤家な奇妙な同居人が増えた。