第十二話「交代」
「心! 霧雨勝ったぞ!」
「信じられない.......」
私は霧雨の相手を倒す時に見せた顔に恐怖していて声が少し震えていた。
これからもしかしたら、この狂人と戦うことになるかもしれない、そしたら私はこいつに勝てるの?
―――負けたらどうなるの?
あの人見たいに酷いやられ方でやられるの?
そしてあの笑顔を見ながら気絶するの?
「心! どうした!」
「.......別に何でもないわ」
「おっ結果発表が始まるぜ、ちゃんと見とくぞ心」
「えーえー皆様お楽しみ頂けたでしょうか」
「「!?」」
「スレンジャーがいない! 誰だあいつ!」
「心あれは.......」
「私このゲームの支配人の三石實貴男でございます」
「今回より私が全てこのゲームを仕切らせていただきます」
まじかよ、やべぇよ、凄い! など会場から驚きの声や楽しみにしているという声がたくさん聞こえてくる。
「皆様にスレンジャーより素晴らしいショーを見せて差し上げましょう!」
「さぁ! 次回のゲームの予告です!」
ドゥルルルルとドラムロールが会場に鳴り響き、胡散臭い親父の声が大きく響く。
「次回は! 女の子だらけの水着イベント!」
「はぁ!?」
「えー僕次回出れないの?」
「ざけんな! 親父! やっぱ全て俺にやらせろ!」
「おやおや、スレンジャー出て来たのですか」
「でも見なさい、君の出てくる場所はもうここにないんですよ」
水着! 女子! 最高! 男達のロマン!
「ここにいる皆さん私のショーを楽しみにしているよ?」
「それは!」
「それに、君のはいつもワンパターンなんだよ、だからいずれ飽きられる」
「だから私のショーの中でゲームとは何か学ぶといい」
「なっ! それってまさか.......!」
「そう、君もショーの出演者になるんだ」
「もし出なかったら.......わかるよね?」
「ちっ.......喜んででてやるよ!」
「その返事が聞けて満足だよ」
「ご覧スレンジャー、この光景をみんな君の新しい人生の第一歩を祝福してくれている!」
「君の活躍を期待しているよ」
「ねぇー? そんなつまんない話よりさ! 今日の結果発表と罰ゲームしようよ!」
「今日の勝者は霧雨絆君、罰ゲームは今日なしです」
「はぁあああ!! なんてこったい! 支配人のくせに罰ゲームしないなんて!」
「しかも心ちゃんの時見たいな、待遇もないの!?」
「僕勝ったんだよ!?」
「はいコレにて閉幕また次回ー」
「こらー! 僕の話をきけー!」
「いったいどうなってるのかしら」
「俺にもさっぱりだぜ.......」
「心ちゃーん、僕悲しいよー」
「うわっ! 霧雨.......」
「うわって、もー心ちゃんもつれないなぁ」
「それより見た!?僕の活躍!」
「えぇ見たわ、とてつもなく嫌な気持ちになる戦い方だったわ」
「えへへ、誉めてくれて嬉しいよ!」
「あー、うんそう、そうね」
「でもさーあの親父なんか気に食わないんだよね」
「僕が年間チャンピオンになったらあの親父からこのゲーム主導権を奪ってやろ」
「あんたまで、あの男と同じこと言うのね」
「えっ? 誰のこと?」
「何でもないわ、あんたに言ったら余計大変なことになる」
「次回は、女子の出演者ががくんと減るからそこんとこよろしくな」
そういって支配人は私に書類を渡してきた、私はこの書類をみてとてつもなく怒った。
「支配人.......あなたって人は!」
「ははは! これくらいしないと人々は喜ばんよ」
「ですが、参加者が減ると困るのは我々なのですよ! もう少し罰ゲームを軽くしても.......」
「いや! 駄目だ! この罰ゲームは観客が一番満足する!」
「いいか、次回は大切なゲームになるんだ」
「最高のショーにしなければならない!」
「出演者は我々の商品だ! どう使おうと我々の勝手だ! .......そうだろ?」
「はい.......その通りでございます」
「.......そうだろう? そうだろう!」
「ははは! お前も次回を楽しみにしてるんだな!」
「どびっきりのショーになるぞ! ははっ!」
駄目だ、私では支配人を止められない。
実の息子まであの狂ったゲームに入れてしまうなんて.......。
「そうだ、セレンは能力はあるのか?」
「いえ、私の娘にはそんな能力ありません」
「あれば次回出そうと思ったのだが」
この男には、人の心がないのだろうか!
自分の子供だけではなく私の娘にまで!
あぁ神よ! もしいるのなら、この男に天罰を!