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「平行宇宙と多元宇宙。この、似て非なるもの」その3 なぜ世界は分岐すると考えるのか?

難しい話を、自分が判る範囲で、親しみやすく。新テーマで再開です。


どうぞお付き合いくださいませ。

気が付けばもう9月。時間が経つのは本当に早い。お久しぶりです。


それでは、第3話「なぜ世界は分岐すると考えるのか?」始まりです。


量子力学における、ミクロな物質に起きる不思議な現象を理解する為の「解釈」の一つとして、分岐は存在します。


一瞬でそれまでの状態が変化する「収縮」に対し、一瞬でそれまで存在していた物がパッと消えて無くなるなど有り得ないと主張する為の考え方として、世界が無数に枝分かれする「多世界」の概念を受け入れる。

世界は分岐すると考える事で、収縮と言う無駄な仮説を付け加えない方が優れているとする考え方、それが「多世界解釈」です。


そもそも「多世界解釈」によれば、宇宙は約138億年前に誕生した直後から分岐を始めたのだそうで、現在に至るまで枝分かれを繰り返してきているそうです。

その枝分かれが起きる為には、まずミクロな物質が複数の状態の重ね合わせになる必要があるそうで、どの状態にでも移りあえる「修復可能な段階」では世界はまだ分岐していないのだとか。


重ね合わせ状態だったものが、観測などによってある特定の状態に決まり元の重ね合わせが修復不可能になった時、世界は分岐する。と第2話で登場のS大学非常勤講師S・W博士はおっしゃっています。


しかし、重ね合わせになるものがミクロサイズでは無くテニスボールのようなマクロな物質(目に見えるほど大きなもの」だと分岐は起きないそうです。

ある一つの世界に存在するマクロな物質は重ねあわせ状態になる事ができないので、世界の分岐を引き起こす事はできないのだとか。


「世界の分岐は私たちの日常的な動作では起きないと言って良いでしょう」と先述の大学非常勤講師S・W博士は断言なさいました。


これには少々、残念な思いが。この考え方では私の推している「青○タ」シリーズが成り立たないじゃないか?と。あのよさを根本的に否定するような事を断言?まさにどうしてくれる!?的な衝撃を受けましたね。

これが平行宇宙に対して、SFやファンタジーでは使えん!そう切り捨てるキッカケになった出来事でした。


あ、話が横道に逸れてしまいました。


とりあえず、宇宙のどこかで世界の分岐を引き起こす現象が生じたら、どのように分岐していくのか?を進めてまいります。


S・W博士は「いったん分岐が始まれば、その影響は高速で広がっていくと考えられます」とおっしゃっています。そして分岐のきっかけとなるのは何らかの物質であり、その物質が放出する電磁波・光などを介して光速で広がっていくのだそうです。


ただ、「相対性理論」においていかなる物質も光より早く移動できないと言うのが大前提として存在する為にどんな情報も光速より早く伝わる事は無く、「多世界解釈」においても世界の分岐は一瞬で起きる訳ではなく分岐の出発点を中心に光速で分かれていくと考えられるのだそうです。

まるで2層のテッシュペーパーを2枚に分けるかのように。


更に宇宙空間は膨張し続けていると言う観測結果から、「遠ざかっている遠方の領域までは分岐の影響が及ばない可能性があります」ともS・W博士は断言されています。

博士の説によれば、宇宙は既に分岐した場所と未だ分岐していない場所がマダラになっていると考えられるようです。(これはこれでSFのネタにはなるのですが)


そのように生まれる奇妙な「平行世界」は分岐後それぞれ別の「運命」(?)を辿る、それぞれに分かれた人々は全く違う人生を歩む可能性が有ると言う話です。(当然でしょうね)

前述のS・W博士によれば「多世界解釈では起こりうる事象は全て起こると考えられる為、様々な世界が存在している可能性があります」との事。(ここだけ見ると小説の設定にもってこいな話なのですが)


第3話でS大学非常勤講師S・W博士は「我々が認識するこの世界から、無数に存在しているはずの別世界を観測することはできません。それでも多世界解釈では、色々な世界が実際に存在していると考えます」とおっしゃいました。


観測できないなら証拠を見つける事は出来ないのでは無いでしょうか?と私は思うのですが……


また、S・W博士は「残念ながら枝分かれしてしまった別の世界を認識する事は不可能です」とまで断言なさっています。

「多世界解釈」では分かれてしまった後の世界は互いに干渉する事がなくなり独立して歴史を刻み続けるのだ、と。異なる世界間で何らかの物質や情報をやり取りする事はできない、だから他の世界を我々は実感できず世界は一つと考えるのだ、とも。


屁理屈ですよね、多世界解釈が正しいと言う為の。と、私などは口にしてしまう所ですが。どうしてもS・W博士の言を読み返してみると、「認識できない・観測できない、だから存在を否定する事ができない」と言っているようにしか聞こえてこない。

前述の「世界の分岐は私たちの日常的な動作では起きないと言って良いでしょう」も認識できない・観測できないを正当化する為の保険のようにさえ思えてきます。


「多世界解釈」から導き出される「平行世界」が小説ネタとしては魅力が無い。そう思うS大学非常勤講師S・W博士の話なのでした。


今回は少々感情が入りすぎました、反省反省。

次回は「平行宇宙と多元宇宙。この、似て非なるもの」その4 多世界解釈と量子コンピューター ここでもS・W博士が否定を連発して下さいます。ご期待下さい。





お読み頂き、ありがとうございます。


厳しい批評、お寄せください。励みと致します。

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