多元宇宙論解説その4
難しい話を、自分が判る範囲で、親しみやすく。多元宇宙論の解説、始めます。
(もはや私が、これを書き始めた頃の平行宇宙は完全に消えて無くなりました……設定、そろそろ根本から変更せねばなりません。多元宇宙奥深し、です)
どうぞお付き合いくださいませ。
ものすご~く、間が開いてしまいました。お久しぶりです。
前回予告いたしました通り、「多世界解釈と量子的マルチヴァース」をお送り致します。
多元宇宙が存在すると言う証拠を観測する。これはとても難しい事です。(前回のお話で申し上げました)それを可能にする条件、その鍵を握るもの、量子論における「多世界解釈」という考え方があるそうです。
量子論とは、原子や素粒子などのミクロ世界における、常識はずれの不思議な性質を説明するもので、素粒子は「様々な場所に同時に存在する事ができる」と言うものらしいです。
う~ん、まるでスタートレックにおけるワープ10みたいだ。と私などは思い起こしてしまうのですが……そっちに興味のない方は「ナンノコッチチャ?」で終わってしまいますね。
それでは解説を。
日常の世界では一つの物体がA地点に在りながら、B地点にも同時に存在する。なんて事は有り得ません。しかし、電子などの粒子はA地点に40%の確率で存在しつつB地点に60%の確率で存在する事も可能なんだそうです。
電子がどちらの地点に有るかを観測(確認の方が良いかも)しようとすると、確率に応じて各々の場所で発見されるのだそうです。
こんな摩訶不思議な現象を予言するのが量子論。そこに「多世界解釈」なる考え方が有るそうです。これは更に不思議。?マーク連発です。
量子論において電子の位置を確認しA地点で確認されれば、B地点には存在しないと解釈する。これが一般的で、私にも納得できる事なのですが……
多世界解釈では、世界が「電子がA地点に在った世界」と「電子がB地点に在った世界」に分かれ、二つの世界が尚も同時に存在する。と、考えるのだそうです。これは不可解。
電子をはじめとする素粒子が複数の場所に同時に確率的に存在するように、様々な状態に分かれた世界(宇宙)が同時に存在する。と言う考え方、それが「多世界解釈」です。
この「多世界解釈」と多元宇宙が同じものであるとする考え方が「量子的マルチヴァース」で、2011年にの日本人科学者によって発表された理論なのだそうです。
量子論の多世界解釈における世界の「分岐」と、無数の泡宇宙の誕生(解説その2を参照下さい)が、数学的に等価だと考える「量子的マルチヴァース」理論は当初は会議的意見が多かったようですが(当然な気が……)現在では、このアイデアを受け入れる研究者は増えているそうです。
確かに同じ宇宙、同じ世界に同時に同じものが存在する。は納得いきませんが、多元宇宙、いくつもの宇宙が同時に存在し、それぞれに少しづつ異なり変化しつつ本質的に同じものが同時に存在する。と言うのは判る気がします。
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一元宇宙では無く、多元宇宙、です。
この「量子的マルチヴァース」理論に基づくと、別の宇宙(多元宇宙)の存在を天文観測で検証できる可能性が出てくるそうです。また、前回のお話「隣の宇宙が、ぶつかってくる?」の隣の宇宙が衝突した痕跡さえ観測できるようになるのだとか。SF物書きとしては期待してやまない所であります。
さて、次回は……拙作「サンたくっ!」第2章最終話に登場しました、今回のお話にも出てきた「分岐」について。枝分かれする世界、を解説いたします。
それではまた、近いうちに。
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