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魔法無しの世界「架空の歴史物語」について・後編

もう一度、読み返したい小説です。〇〇○○○年代記。

田中芳樹先生の作品、大好きです。

田中芳樹先生の新刊が読みたい。読書の秋が近付いて来る。


さて、魔法無しの世界「架空の歴史物語」について・後編です。


今回は、完全に魔法無し、で剣のみの「架空の歴史物語」。

再び、田中芳樹先生の、あの年代記。です。


王立学園で文武を修めた、3人の男たちの友情と野望、

そしてその周辺諸国をも巻き込んだ激動の3年間。


たった3冊で終わらせてしまうには、惜しい作品だった。

私は今も、そう思っております。


では、物語について。


中世ハンガリーをモデルにしたのであろう、民族名を冠する帝国。

直轄皇帝領と、6つの公国との連合帝国で、雪国ではあるが、

その版図は広く豊かであり、強悍な兵を備える。


ただ、その第24代皇帝は猜疑心と権力に固執し、実子を精神的に虐待、

忍耐の限界に達した三男の皇子によって殺害される。


人知れずに弑逆する事に成功した皇子は、後継者争いを凌ぎきり、

第25代皇帝として即位する。が、人としての負い目から覇道を志し、

雷帝と称されるようになって行く。


この後継者争いで皇子に味方した、かつての学友の一人、六公国の一つである

金鴉国の国公は、皇子の父殺しに気付いたことがきっかけで、彼の心に

帝位簒奪の野心が芽生え始める。


もう一人の学友、騎士階級出身で有りながら、逆玉で六公国の一つ虎翼公国の

元国相になった男は、妻の死により義兄である虎翼国公との確執から、幼い息子を

連れて金鴉国公の食客に。

しかし、皇子が皇帝となった為、水面下で凌ぎを削る二人のかつての友の間に

立つ事となる。


第1巻では皇帝擁立の内紛から竜牙公国の将軍による公王簒奪、その討伐が。


第2巻では帝国の南に位置する、温暖で肥沃な王国への侵略戦争が、

その決着である皇帝と王女との政略結婚の形で収束までが。


そして最終、第3巻では周辺諸国による帝国侵攻に対する皇帝の反撃から、

帝国のの東南、トランシルヴァニアをモデルとする王国の駐箚大使による

漁夫の利的奇襲で皇帝行方不明、それを機に金鴉国公謀反から、

最後の戦い、二人の一騎打ち、そして決着。が疾風怒濤の勢いで描かれる。


という感じのストーリー……だったと思うのですが。

間違いが有れば、容赦なくご指摘ください。(お手柔らかに)


思い出しながら書こうとして、結構忘れている事を痛感。あれこれ頼りました。

そこで見つけた一節、「田中節炸裂!」まさにその通りかと。


剣のみ魔法無しの、架空と言えども歴史小説。


1巻の敵、竜牙公国の将軍は化物じみた強さですが、あくまでも人間の、であり

例えば平家物語の鎮西八郎為朝、あるいは三国志の呂布のような感じ。

決して妖魔の類いでは無いのです。


もう少し、活躍して欲しかった。そういう点では他にも……


第2巻で侵略されてしまう王国の姫など、最初は美人なだけだったのが、

国を失うのを機に、乱世の女傑としての頭角を現し始め、後には

国摂政皇后なんてものにまで。

彼女もまた、ありがちな魔法使いの悪い女王なんかでは無く、

己の才覚だけで上り詰めようと足掻くひとりの人間として描かれます。


しかし彼女も活躍しきれないまま退場、となってしまいます。

ホント、もう少し活躍して欲しかった。

そんなキャラクターが大勢います。


物語として。よりも、まさに歴史の1ページとして描かれる、それゆえに

非情に切り捨てられていくお気に入りのキャラクター達。

田中芳樹先生の作品に共通する、醍醐味を味わえる一作です。

魔法で何でもOK!な小説に飽きた方、一度

手に取ってみては如何でしょうか?


次回は久々に(?)自分の小説ネタで。

題して「平行宇宙もので小説を書こう!」

ちょっと進化したでしょうか?

ではまた。


いつもお読み頂き、ありがとうございます。

厳しい批評、お寄せください。励みと致します。

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