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6話

「失礼する」

ドアがノックされた音と同時にレーンさんが私の部屋に入ってきました。突然のことで私は驚いてしまいました。

「ど、どうされたんですか、急に」

「私の本来の使命を果たしに来たんだ、お前は元魔王なんだろ」

「まだその話をしてたんですか、違いますよ、私はただのフリードの街の受付嬢です」

「なぜ、本当のことを話してくれないんだ、私とお前はお前の城で対峙した、その声も、その言葉遣いも、その見た目も全くおんなじじゃないか」

「知りませんよ、私だって、生まれた時からこうなんですから」

「いいじゃないか、この部屋には私とお前、二人しかいない、話してくれないのか」

「だから違いますって!」

レーンさんは引き下がりません。私も否定を続けますし、絶対に認める気もありません。

それなのにレーンさんは私を元魔王と決めつけたがっているようです。なにか執念の様なものを感じました。

「何か、私を元魔王と決めつけたい理由があるのですか?」

レーンさんは図星を当てられたように驚いた表情を見せました。視線があちらこちらを向いて、あからさまに動揺をしていました。しばらく無言で動揺をした後、意を決したように口を開きました。

「………元魔王ナンラが私に負けて2ヶ月後、新魔王が誕生したのを知っているか?ザードイという女だ。そいつが新魔王になってから、突然、今日のエルダースライムマンのような高レベルモンスターが各地に発生し始めた。この街のように、平均レベルに見合わない指定有害種モンスターの動きが活発になったんだ。そのせいで、高レベルの冒険者がいない多くの街では多大なる被害がでた。今回だってそうだ。私はいま、冒険者協会が測定、分析して、次に指定有害種が出現しそうだと予想された街に急行して退治と事後処理を主な任務としている。2年間も今日のような事を続けているんだ。最初は様々な被害者の言葉が辛かった。でも1年間もこんなことをしてれば慣れるもんなんだな。私の心は死んでしまったのかもしれない。そしてこの、フリードの街が予想に出たんだ。私はこの街に急行して、集会所で共に戦う冒険者を集めようとした。そこで、集会所に入った瞬間、お前を見たんだ、ナンラ、二年前の記憶が一瞬で蘇ったよ、そして驚いたさ、『なんで、ここに魔王が』ってね」

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