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3話 身勝手な勇者

街道に入る関所を通るとすぐに冒険者さんたちが戦っているのがみえました。しかし、戦っているというよりかは、侵入を防ぐと行った方が正しいでしょうか、エルダースライムマンの圧倒的な強さの前に防戦しかできないといった悲惨な有様です。負傷していてもその方を運ぶ人員が足りてないようで、その場にうずくまっている方がたくさんいらっしゃいました。そして、その方たちを狙って、スライムとスライムマンが襲いかかっていました。戦っている冒険者さんたちも顔に疲れが見て取れました。限界です。今すぐにでもこの防衛線は崩れてしまうでしょう。

そう、私が思った瞬間でした。レーンさんは私を引っ張っていた縄を捨てて防衛線の最前線へと踊りでました。レーンさんは持ってきた凝固剤と火薬を混ぜたものを当たりに振りまき、風塵魔法を唱えて一面に拡がらせ、それに当たったスライムの体を固まらせました。そして、延焼魔法を唱えました。その瞬間です。スライムたちは魔法が当たった一匹を中心に連鎖爆発を起こしました。スライムたちは50匹以上いたので、その爆発の威力は一級魔術師の唱える爆裂魔法に匹敵するほどでした。その爆風でスライムマンたちも粉々になって霧散して行きました。

しかし、その爆発のなかでもエルダースライムマンは立っていました。そこに間髪入れずレーンさんは攻撃を加えて行きました。

まさに瞬間の出来事でした。レーンさんが最前線に躍り出た瞬間に冒険者さんたちが束になっても敵わなかったエルダースライムマンたちの群れを撃破してしまいました。

しかし、起きたことはそれだけではありませんでした。スライムマンたちでさえも倒した爆風をもろに受けた冒険者さんたちもいました。もちろん即死です。レーンさんは自らの周りに防御魔法をかけたので無事でしたが周りの冒険者さんたちは死傷者が出るという大惨事です。

行きていた後方の冒険者さんたちは喜んでいいのか、悲しんでいいのか、それとも、レーンさんの強さを怖がればいいのかわかりませんでした。

爆発の後起きた沈黙の中、レーンさんは言いました。

「私は勇者だ」

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