初狩り
ミュウが落ち着いた今は、武器選びをしていた。ミュウは水魔術と短剣術があるので、ある程度絞れる。
「ダガーでいいか?」
アイテムボックスに入っているだろうと思う。
「貰えるのですから、文句は言えません(リュートさんからもらえるんだもん!)」
「分かった」
アイテムボックスからいくつか取り出す。
【飛竜の短剣】
ワイバーンの牙と魔力を流しやすいミスリル合金で出来ている。魔力を流せば、切れ味がます、量に比例。また投擲しても手元に戻ってくる。
「こんなんでいいか?」
「こんなにいいものを……!ありがとうございます!」
「いいっていいって、それより討伐に行くか!」
「はい!」
ミュウと俺はゴブリンを探しに行くのだった。
少し離れたところに10匹のゴブリンがいた。
「ミュウ、俺がサポートするからお前がメインで倒すんだぞ?」
「はい、でも1人で大丈夫でしょうか?」
数がまぁ、多いし不安なんだろう。
「大丈夫、俺が後ろにいるんだがちょー安全だよ」
「あ、あの見ててくださいね!」
「ああ」
力を見るのは、さっき言ったんだから見るのは当然じゃないか?まぁ別にいいが。
~ミュウ視点~
ミュウはゴブリンの近くの岩に近寄ると、ダガーを1匹のゴブリンの眉間に投擲した。
「グギャギャッ!?」
仲間がやられて、気づいたゴブリンたちだがその頃にはもうおそくミュウは2匹のゴブリンの首をダガーで一閃した。
「やっ!」
次々にやられる仲間に焦ったゴブリンが3匹でかかるが、すべての拳を寸でのところで避けて、首に一撃を入れる。
そこで気づいた。残りの4体が弓を引いていることに。
「しまっ!」
撃たれるとと思ったが、
【氷弾丸】と聞こえる。
後で戦闘を見ていたリュートが魔法を使ったのだ。指の先から放たれる四つの氷の弾丸が4体のゴブリンに命中しその弓と手を凍らせた。
「リュートさん!」
一瞬動きの止まったゴブリンに獣人の身体能力を発揮して接近して、鋭い一撃を4体のゴブリンに入れた。
~リュート視点~
ミュウの戦闘を見ていたリュートは、
(さすが、獣人と言ったところか)
と評価していると、
「どうでしたか、リュートさん?……そのダメでしたでしょうか?」
不安げに上目ずかいで聞いてくる。
これは、反則だろッ!可愛いすぎだろ!
「良かったぞ!数が多いから周りの把握とかが大事だな!」
「はい!頑張ります!それで、リュートさんは氷の魔術を使うんですか?」
ギクッ!どう答えようかな………………………
仲間になるんだから、教えた方がいいかな?
「ミュウには教えるけど、他言しないでな?」
俺からのお願いだからか真面目に頷いている。
「俺のは、魔術ではなくて魔法と言われているものだ。簡単に言うとなぁ、基本ほとんどの魔術みたいなのを使えるんです」
というと、ミュウはパアっと笑顔になると、
「リュートさんすごいんですね!!」
他人に褒められると嬉しいが背中がむず痒い。
ミュウとゴブリンを狩ったあとはホクトに乗ってギルドに来て依頼完了報告とアイテムの換金をしていた。
ゴブリンの討伐部位は耳なので、剥ぎ取りをしてきた。
ミュウの短剣術のおかげではかどった。
「ニナさん、クエスト完了しました」
ニナにゴブリンの耳を渡す。
「依頼の完了を確認しました!これが報酬の銀貨5枚です」
「ありがとうございます。それとモンスターのアイテムの換金してもらえますか?」
「いいですよ、ここで出せますか?」
出せないな。
「広いところはありますか?」
「訓練場があるのでこちらに来てください」
ニナに案内される。
「ミュウは少し待っててくれ」
ミュウには悪いが少し待っててもらう。
「はい!」
「ここで大丈夫ですか?」
ニナが聞くいてくる。
「大丈夫なの?何も持ってなさそうなのに」
そりゃそうだ。広いとこはいいけど、俺は大きなものを持っていないんだ。
「それはこういうことです」
そう言って、アイテムボックスからレッドベアーの死骸を取り出した。
「ええー!?アイテムボックスすぅぅう!?それにこれはレッドベアー!!!?」