仲良し家族
日記帳の記録。
4月1日から、それは始まった。
4月1日
弟に反抗期がきた。
なんで分かったのかって、それは最近僕達に対して凄く冷たい態度だったから。
何というか、弟は確かに物静かな性格なんだけれど言い方とかがまさに反抗期。
「話しかけてくるなよ」
ってお母さんにも言って自分の部屋にこもってしまった。
これも何日目だろう。
夕飯は弟の好きなハンバーグだったのに。
でも、成長過程として反抗期が来るのは自然なことだって言うし心配しすぎるのも良くないかも知れない。
ただ、やっぱり弟に冷たくされるのは僕としては悲しいかな。
4月2日
今日も弟は部屋から出てこなかった。
声をかけたら
「あっちに行けよ!」
って怒鳴られた。
もしかして、誰かと喧嘩したのだろうか。
夕飯に姿を現さないのを僕もお母さんも心配していたけれど、扉の前に置かれた皿は綺麗に完食されている。
それだけは、ホッとした。
4月3日
お父さんが弟に声をかけていた。
「なぁ何か悩みでもあるのか?お父さんで良ければ、いつでも話聞くからな。」
弟の部屋からは声は返ってこなかった。
僕はその様子をコッソリと見ていた。
お父さんの悲しげな表情に、胸が少し苦しくなった。
4月4日
部屋で勉強していると、いい匂いがした。
今晩はカレーらしい。
僕の大好物なので、ワクワクしながらリビングへと向かった。
リビングには、いつも四人ぶんの料理が置かれている。
お父さん、お母さん、僕、そして弟のぶん。
いつ一緒に食べたいと思ってくれるかは分からないけれど、いつでも来ていいように置かれてあるのだ。
いただきます。
手を合わせて、それぞれカレーを口に運ぶ。
弟は、まだ来ていない。
学校であったことや、面白かった話をしていると階段から音がした。
お父さんとお母さんが目を丸くする。
扉から弟が入ってきた。
みんなそろって夕ご飯を食べるのは久々だと思う。
弟は自分の席についた。
お母さんは目に涙を浮かべて、
サラダを弟の前に置いた。
その時、
ドンッ
弟が強くテーブルを叩いた。
「どうしたの?」
僕が聞くと、弟はものすごい目つきで僕らをジッと睨んでいた。
「…だよ」
よく聞き取れない。
困惑した表情を浮かべる僕らに、今度は大きな声で弟が怒鳴った。
「だから!お前ら誰なんだよ!ずっと部屋に閉じ込めて学校にもいけない!元の家族の所へ返せよ!」
僕も、お父さんもお母さんも弟をなだめた。
お母さんが、そっと弟の手を取る。
「元の家族って何?ずっと前からあなたは、家族よ。」
弟はお母さんの手を振り払って、玄関へと走り出した。
「待ちなさい!」
お父さんの声がする。
走って行く弟には追いつけず、お父さんは廊下に転んで倒れた。
ガッチャン…
玄関の扉が閉まった音がした。
…警察が見つけた日記帳はここで終わっている。
行方不明の少年から聞いた場所には住宅の記録が存在しなかった。
ただ空き地とこの日記帳のみが残されていた。
その他、多数県外で同じような事件があったことが発覚。
被害者は口々に言う。
「でも逃げ出した次の日には、その家があった場所は全部空き地なんです」
最後まで読んでくださりありがとうございます!
個人的に、知っている人々が自分を知らないと言うのも怖いけど全然知らない人が自分を溺愛したりしていたらそれも怖いよなと思って作成してみましたφ(..)
気に入ってくださったら他の作品も読んでくださると嬉しいです!ヾ(*´∀`*)ノ




