1章―6 高校生つったら高校生
部活という新しい環境にも慣れ、数日が経ったある日。
帰りのホームルームが終わり、いつも通り部活に向かおうとしていた…のだが、担任が急に衝撃的な言葉を放ってきた。
「……お前たち、すまないが、恥を忍んで頼みがある。どうか…協力してほしい」
この担任、普段は俺らのことをボンボンと決めてかかり舐め腐って基本見下した態度だったんだが。いったいどういう心境の変化だ…?
「何かあったのですか?」
「なんか…めんどくさそう…やだな…」
「はーい!報酬とかあるなら考えてあげるかもしれませーん!」
「う〜ん…私は生徒会で忙しいし…協力してあげたいけど…う〜む」
あ〜ほら、普段から想像もつかないほど態度が弱々しいから皆各々思い思いに騒いじゃってるじゃん!収集つかないやつじゃん!
………俺?俺はまぁ、後方クラスメイト面でもしておきますかね。ダルそう。というか関わりたくないこういうのに。
「……コホン。実は今、この学校で次々と生徒が殺されている。知っている人もいるだろうが…。生徒とご家庭を安心させるため、これ以上の被害を出さないため教師全員で犯人確保へと動いているが…、糸口すら掴めていないのが現状だ。…そこで、お前たちに協力を頼みたい。本当にすまないとは思っている…!どうか、頼まれてはくれないだろうか…!」
なんと、初耳。聞いたこともなかったよね。まぁ、それはいいとして。流石に殺人ともなると穏やかじゃない。それもこの学校の生徒となると、一般人じゃまず不可能だろう。教師は基本引退した元騎士や魔道士、聖職者だもんで、並大抵の者じゃ事件起こす前に捕まってムショ行きだろう。……教師も聖職者だろうって?いいじゃんそんくらい。納得してくれ。
とにかく、流石にだんまりを決め込めるような軽い事件では無さそう。というか、放っておきたくない。本音を言うとめんどくさそうだけれど…将来の予行演習とでも思えば楽だろうか。
「分かりました。やりましょう。すぐに犯人見つけてみせますよ!」
「「「「アウスがやるなら……」」」」
とまぁ意気込んだのだが、これを聞いてすぐに他の4人が口を揃えて参加の意を示した。
………キミらはそれで良いのか。もうちょっとこう…自分の意見というか…そういうの、ないの?
「そうか、助かるっ…!!今のところ犯人は女生徒…特に、面の良い生徒を狙っている節がある。それに犯人は教師の巡回ルートや記録水晶の位置を完全に把握して、正体がバレないように動いている。おそらくだが…、この学校内部の人間なのだろう、犯人は。こちらでも引き続き動くが、Sクラスがいると戦力的に非常に頼もしい。大人、ましては教師としては生徒の君たちに頼むのは心苦しいことだが…こちらも精一杯なのだ。許してくれ。そして……よろしく頼む」
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そう言うと担任は去っていった。ちなみに、彼が行く前に「協力するんで見返り期待してますよ」と釘は刺してきた。ちなみに無視された。なんでぇアイツ。
「アウスさん、本当にやるんですか?」
「………いや、やらなきゃダメでしょう…流石に……。見殺しには…できない…かな、私は」
「まぁ、同感。――で、どうするの?具体的にさ」
「んー、聞いた感じ私たちには戦力としての期待しか無かったっぽいから、護衛とかじゃない?」
とまぁ女子たちが思い思いにそれぞれ意見を言っていったわけだが。なんだろうな…やる気はあるのに消極的と言うか、そういう気がする。俺としては力だけと思われるのも癪なので、自分たちで犯人を見つけたいと思ってたんだが…。
「「「「え?………できると思ってるの?」」」」
そう提案してみると、まさかの総否定である。この子らちょっと酷いと思うな。声まで合わせやがってからに。いいさ。そっちがその気と言うのならば、俺1人でも犯人見つけてやらぁよ。さぁて…
いっちょ高校生探偵、やったりますかぁ!
しかしよく考えたら前世合わせて70歳超えなことに気付き、ガン萎えした。こういうとこ転生者良くないと思う。
前回でアウス君が序章だなんだと言っとりますが私的には序章はここですね。まぁ多分あと10話弱やるんで長いですけど。




