1章―5 直情
「えぇと…ど…どうぞ〜…剣道部です〜…」
本日は、体験入部に来ています。みんな本入部してるのに俺は何してるんだろうね。そうだね、無所属だね。
「やぁやぁやぁ!キミが噂のSクラスの…なんだったか…えぇい!よろしく、少年!」
「あ…アウス、紹介…。こちら…うちの部長のシャナ先輩…、です。シャナ先輩…こっちはアウス…です、覚えておいてください…」
「あ、どうもぉ〜」
「うむ!よろしくな、少年!!」
「先輩、俺の名前覚える気ありませんね?」
「はっはー!どうだかな!キミが私の記憶に残るほどの人物ならあるいは…かなぁ!分からん!!」
……なんっというか…クセの強い部長だな。まぁ話してる分には気持ちが良いタイプっぽいし楽なのだが。
「本日は、よろしくお願いします。体験といっても、入るつもりではあるんでどんな感じかだけ知れればそれでいいので」
「うむ!有り難いことだな!なんせこの部は人数が少ない!みな魔法だのスポーツだの、嘆かわしい!剣こそ至高だと言うのに、なぁ!そうは思わんかね!」
「はぁ…」
前言撤回。この人だいぶめんどくさそう。
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「じゃあ…いつもやってる事…と言っても…、剣を打ち合って稽古するだけ…なんだけれども…。とにかく…剣取って、やってみよっか。あ……申し訳ないんだけれど…、身体強化は無しで…。この部、技を鍛えるための部だから…。よろしく…」
「あ〜、了解」
実戦をやるのだが、ぶっちゃけアルマ相手に勝てる気がしない。自慢じゃないが勝てたことないし。身体強化無しときたら尚更。だって普段は俺が身体強化バリバリに使っても生身のアルマに負けるもん。まぁこの間も言った通り、アルマが身体強化できないってだけなんだけれど。
「じゃ…いつでもどうぞ…」
「おう。―――――げぇっ」
とりあえず斬りかかる…が、やはりというか何というか、全て弾かれるか避けられてしまう。ならばとフェイントを使っても…
「それ…バレバレ…もっと緩急付けたほうがいい…と思う…」
駄目だった。というか…あれ…?意外と斬りあえてるんじゃないか…?身体強化無しにしては結構…俺凄いんじゃ…
「アルマくん!!もういいぞぉ!」
「あ、は〜い…」
「へぷっ」
でしょーね。手加減するよねそりゃあね。
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「う〜む、少年!キミさぁ、見てたんだけれども!」
「はい」
結局手加減されてたわけだが。足りないところを測るためとは言え、ちょっと傷ついちゃうよね。アルマが本気出してないのに剣が掠りすらしなかったもん。思えばあっちから攻撃仕掛けてくることもなかったし。
「膂力は凄そうなのに剣術が全くもってダメだな!ド素人だ、ド素人!!」
いきなりすっごい貶された。ヒドイ。
「アルマぁこの人虐めてくるよぉふぇぇぇぇん」
「………一応、言ってることは事実だから…ちゃんと聞いてあげよ…ね…?」
どうやら俺の味方はいないようで、悲しいことだなぁ。
「いやなに、別に貶すつもりは無かったんだ、誤解しないでくれよ?」
「にしてはボロクソ言われましたけどね」
「そりゃボロクソ言うさ!力に任せて剣を振るだけなんだもの!技もへったくれもない!――だからこそ、この部活で共に鍛えていこうじゃないか!!」
この人、多分これが言いたかっただけだな…?そんな事しなくても、入るのは決めてたのに…。
「まぁ…分かりましたよ。これからよろしくお願いします」
「うむ!!!これで部員が3人だな!めでたいめでたい!」
「は?3人?」
「あ〜、そ…そうなんだよ、ね…。ごめんね…?言ってなかった、っけ…?あ〜、あはは…」
………喜ぶべきか哀しむべきか…。新しい出会い――!的なのを期待していたのに…。まぁシャナ先輩とは出会えたわけだが。というか3人って部じゃなくて同好会では…?
「うむ!鋭いじゃないか、少年ッ!その通り、同好会なのでここは勝手に使っているだけだな!むっ…。さて、では2人とも逃げるぞぉ!先公が来た!!」
えぇ…。聞けば、毎日こうらしい。えぇぇ…。
とにかく、序章というか前置きはここで終わり。部活?というコミュニティにも所属したし、ここから俺の青春ライフが本格的に始動するのだ。きっと。
私はそんなに追加ヒロインが好きじゃないんですけれども今作はいっぱい追加してもいいかなって。どうせアレなんで…ねぇ?




