表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
英雄よ、英雄たれ、英雄なのだから  作者: ふるぽん
天才少年の英雄譚(旧題:ヒロインが全員死ぬラブコメ)
4/8

1章―4 デートなんですか!?どっちなんですかっ!?

「なぁタニア」

「はい?」

「タニアって…あの〜なんだっけ、とにかく何か委員会入ってたよな?」

「えぇまぁ…福祉委員会です」

「それさ、俺も入れたりとかできる?」


昨日メルシィに言われた委員会や部活についてだが、Sクラスの面々がいるところだったら入ってみようかという結論に落ち着いた。というわけで。今はタニアに聞き取り中である。


「あ〜…申し訳ないんですが…今からというのは難しいですね…」

「ん〜、そか。おっけー了解!ありがとう!」

「……えとっ!相談乗れなくてすみません…。お詫びと言ってはなんですが、放課後なにか奢りますよ、ご飯!」

「へっ?ガチ?」


ちょっと相談しただけでデートイベントが発生するの神かな、神だね。まぁあっちはお詫びのつもりらしいしデートとは思ってなさそうだけども…。というかわざわざお詫びするようなことでもないなぁ…。


§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§


「じゃあ!行きますか、デートへ!!………ひひっ、恥ずっ」

「あっデートなんだ!?」


……なんだろう、めっちゃ可愛い気がするこの生き物。


「あ、あそこ!めっちゃ美味しいんですよ、行きましょ!」

「……なんか、すごいお高そうなんだけど…あ、タニアには関係ないのか」

「まぁ、【聖女】ですので。…候補ですけれど。それに、今日は奢るのでアウスさんお金のことは気にしなくていいですよ!」

「助かるわぁ…」


ここで豆知識。このラシュイラ大陸は、別名宗教大陸とも言われており、教会が絶大な権力を持っているのだ。なので教会の中で重要な立ち位置の人間は色々特権があるんだと。全商品全額無料もその1つらしい。んで、タニアはそこの【聖女】の候補。…まぁ、そういう事だ。タダ飯ひゃっほい。


真面目な話、知っている限りだと聖女がいるいないで変わる戦況なんていくらでもあるし、聖女がいれば負けはないだの犠牲は出ないだのさんざ言われている。それ程に聖女のみが使える【聖魔法】は強力なのだ。普通の回復魔法の上位互換とも言える性能だからね。要するに、国にめたくそ貢献してきたからそれ相応の権利が認められているという話だ。それにしたってとは思うが何か悪いことがあるわけでもないしな。あまり考えるようなことでもあるまい。


§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§


店内に入り料理を注文した後は、他愛もない話をし合った。なんというか、タニアとの会話は楽しいし、落ち着くような気がする。思えば、タニアには馬鹿にされたり、からかわれたりする経験が無かったからそういうところかもしれない。流石聖女…候補と言ったところか。


「えっ、そんな急に褒められましても…何も出ませんよ?」


どうやら口に出ていたらしい。恥ずい。


こんな感じでくっちゃべっていると、ようやく料理が出てきた。


「お待たせいたしました〜、こちら◯◯の△☆焼きと□◇▧を∵⦿したものになります」


………正直料理名は何がなんだか全く分からなかったが、ただ1つ分かることがある。コレ、絶対美味いわ。


「それでアウスさん」

「ほい?」

「委員会というか、部活やグループに参加したがっているとお見受けしました。一応、メルシィさんは生徒会ですし、アルマさんは剣道部に所属しています」


……どうやら、タニアは本当にお詫びのつもりで来てるっぽい。俺完全にデート気分だったけど…。


「あぁ、ありがとう。生徒会…は俺は別にいいんだよね。だから今度はアルマに聞いてみるよ。…ちなみに、ディアは?」

「ディアさんは、まぁ、はい。無所属(ニート)です」


……それさ、遠回りに俺もニートって言ってるよね?勘違いかな?聖女さん?


「ところで…入学当初は何も興味がなさそうだったのに、なぜ今急に?」

「ん〜、まぁなんだ。メルシィに入った方がいいぞと言われて、考えるだけのつもりでいたんどけども…、Sクラスの誰かと一緒ならやる気出るなぁって思って」

「…前々から思ってたんですけど、アウスさんって優しいですよね」

「これそんなに優しいかなぁ…?」


別にこれは謙遜とかではない。いや、こればっかりは『友達と一緒ならやってもいいかな〜』を優しいと捉えるタニアが悪いと思う。


「いや、優しいですよ。ただまぁ…、その優しさを四方八方に向けないようにしたほうが良いです。私からの“忠告”ですよ?後、できれば私にだけ向けてくれても構いませんが?」

「はっはっはー、忠告どうも。そんな心配しなくても、俺()()にしか優しくないからさ!もちろんタニアには優しいよ!頼ってもらえたらいつだって助けるし!」

「……そうですか、なら良かったです。それなら―――()()()()()()()()()()()()()()()()()

「へ…?ん、まぁ…もちろんだけど…」


‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥


その後は結局一銭も払わずに夕飯を終え、解散し帰路についた。途中のあの言葉が、妙に頭をグルグルしていた。


『――私のこと、ちゃんと助けてくださいね』


話の流れのなんてことないひと言のはずだ…。だが妙に引っかかって、うまく眠れなかった。考えれば自然な気もするし、不自然な気もするし…。

………結局、悩んでいたのはこの時だけで明日以降になると俺はこの言葉の事をさっぱり忘れる、記憶から無くす。


この時、この言葉をもっと大事に考えていれば、もっと真剣に受け取っていれば、もっと真面目に考えていれば、あんな凄惨で、あんな悲惨な事は起こらなかっただろうに。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ