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RATE  作者: 恵 奏香
1章
7/19

1-6.開封

4人用のボックス席に案内された。俺の向かいにはヅカ、その隣に陸が座っている。




3人の注文が決まったので、ベルを押し店員さんを呼んだ。




「ハンバーグセット1つ」




陸が注文した。




俺もハンバーグセットにしようと思ったが、ふとテーブルに敷かれているマットを見ると【おすすめ!サイコロステーキセット】と書かれていた。朝から重たいとは思いつつも、サイコロステーキセットを頼む。




ヅカはいつも決まっている。




「カレーライス大盛りで!」




やっぱりか。というより、ヅカがカレー以外食べているのを見たことがない。だが、大盛りは珍しいな。




「さて、本題に入ろうか」




ヅカはビニール袋からRATEを取り出し、すぐに開封した。




「なんだこれは?」




ヅカは出てきたカードを見て、目を丸くして驚いた。その隣で、陸がすでに苦笑しているのがわかる。




出てきたカード5枚はこれだ。


・【見習い料理人 マモル】バトル ノーマル


・【安物の鍋】ウェポン ノーマル


・【極上なるポテト】アイテム ノーマル


・【モモ肉】アイテム ノーマル


・【食べかけの人参】??? ダウト




まるでカレーの下ごしらえだ。しかも人参に至っては食べかけ。




「すげーなこれ。ヅカに選ばれしカードだ。いや、むしろカードに選ばれたプレイヤーって所か」




陸は笑いすぎて涙を流している。




俺もすでにヅカの顔を直視できない。




そしてもっと意外なことに、ヅカがテンションを上げる。




「おぉー!マジですか。俺の心情を読み取ったかのようなカード達。料理人かっこいいぜー!」




よほど気に入ったようだ。




それを見た陸は、声にならない声で俺に訴えているが、まったく聞き取れない。ただずっと笑いを堪えながら小刻みに震えている。




ようやく料理が運ばれてきた。俺のカードは後で開けるとしよう。




何はともあれ、陸が元気になって良かった。ヅカは陸を横目に、カレーを黙々と食べている。




いち早く食べ終わった陸が、興味津々に俺を見る。




「イッキのカードはどんなのだろうな」




確かに気になる。ヅカのカードがあまりにもマッチしすぎていたからな。




食事も終わり、次は俺のカードを開ける。2人は早くと急かす。




俺が開封したカードはこれだ。


・【黒服の男 アーサー】バトル ノーマル


・【美容師のハサミ】ウェポン ノーマル


・【モデルガン】ウェポン ノーマル


・【翼竜の牙】アイテム シルバー


・【右ストレート】リベンジ ノーマル




なんとも統一感の無いカードだ。個人的にはギターのカードが出る予感がしていたが、そう上手くはいかない。




「おぉー!シルバーじゃん」興奮気味にヅカが言う。




「ほかのカードは普通な感じだな」陸が冷静に言う。




このシルバーはたぶんノーマルよりは良いんだろうけど、使い方が全くわからないな。




あと、ヅカの【食べかけの人参】。あれは何のカードだろうか。【???】なんてネットの情報には無かったぞ。




カード開封と食事も済んだところで、会計を済ませ店を出た。




陸の自宅はファミレスから車ですぐの所だ。




「お邪魔しまーす」『お邪魔します』




久しぶりに来たな。




俺とヅカは2階へ上がり、一番奥にある陸の部屋へと向かう。




陸は1階で飲み物を用意し、持ってきてくれた。

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