表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
RATE  作者: 恵 奏香
1章
6/19

1-5.LETTER

午前9時50分




開店は10時だが、俺たちは少し前に並んでおくことにした。




「そういや抽選っていつするんだろ?」




ヅカの問いに、ふと疑問がよぎる。確かに名前を書いて箱に入れたけど、抽選なんてどこにも書いてなかった。何のためだったのか…




ガラガラガラガラ、と音がして、考えているうちにシャッターが上がる。




すると髭面のおじさんが現れた。胸元に「オーナー」という名札を付けている。




オーナーにも名札があるのか…




開店と同時に店内へ入る。




中には誰もいない。




店の規模からすると、もしや髭のおじさんは、オーナー兼、店長兼、従業員じゃ?むしろ名札の意味はあるのか。




そんなどうでもいいことを考えている傍ら、何やらヅカがはしゃいでいる。




ショーケースにはRATEが並んでいる。そしてRATEのパック毎に名前が刻んであった。




まるで製造過程で彫られたかのように、パックのデザインと名前の部分に違和感が全く無い。




「俺の名前が無い・・・」




本当だ。




陸の名前が入ったパックが見当たらない。




何度見返しても「梅田 陸」と書かれたものが無い。




俺とヅカの名前が入ったパック。後は知らない名前が入ったパックが3つある。




ヅカが俯いた陸に声をかける。




「俺のパックあげるよ」




俺も同じことを考えていた。




しかし陸の返しは予想に反した。いや、予想通りか。




「自分で手に入れるから大丈夫。だからヅカ、他に入荷しそうな店あったら教えてくれ。それと…」




ハジメを頼むと言いたいように見えたが、言葉を飲み込む。




陸はヅカが一番RATEに興味を示していた事を知っている。ハジメの事が気になって仕方ないはずだが、ゲームに関してはヅカのほうが詳しいという所を考慮したようだ。




「わかった。でも次に入荷予定のショップは遠いぞ」




陸は大丈夫だとヅカに親指を立てる。




「俺の家わかるよな?土手に出てまっすぐ。図書館の3件隣」




ヅカの家は遠く、学校近くの駅から10駅以上もある。乗り換えもある為、電車通学がつらいとよくぼやいている。




そしてヅカは続ける。




「本当にハジメがいるかはわからないけど、精一杯探してみるよ」




陸は無言で頷く。




ひとまず陸も落ち着いたようなので、俺とヅカはRATEを購入する。




RATEは1パック5枚入りで価格は1,000円。




オンラインをするには【LETTER】というカードリーダーも必要になる。LETTERの価格も1台1,000円。




髭面のおじさんからRATEとLETTERを購入。




ヅカも同様に2,000円を払い、商品を受け取る。




用も済んだので、俺たち3人は店を出る。




一旦、みんなで陸の家へ向かうことにしたが、ヅカが朝ごはんを食べたいというので、近くのファミレスへ入った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ