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RATE  作者: 恵奏々香
5章

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5-7.SNOW

「鍛冶屋さん、これ借りますね」


大工はハンマーを持ち壁の穴へ向かった。


ハンマーが光を帯び、大工が壁を修復していく。


「すごい!大工さんがんばれー」


外は相変わらずの猛吹雪。大工が壁を修復し終え戻ってくる。


「これでしばらくは持つだろう」


『助かったよ。ありがとう』


「今のうちに薬をどうするか考えないと」


流石にヅカも焦っている。いつまでこのログハウスが持つかもわからない。4番の薬師、5番の大工、この2人が居なくなるとこの場を切り抜ける方法が断たれる。


「ちょっといいか?俺が薬入りの弾丸を作って、婆さんの銃で撃つってのはどうだ?」


「それはいい考えですね。弾を作るのはどのくらい時間かかりますか?」


「20分もあればできるぞ」


「皆さんはどうですか?鍛冶屋さんの提案。私は賛成ですけど」


「僕もそれがいいと思う」


大工と薬師は賛同した。俺とヅカも異論はないと伝え、鍛冶屋が薬入りの弾丸を作る事になった。


「20分ならこのまま誰も犠牲にならずにクエストクリアできそうだね」


『そうだな。しかしどうやって撃つかだな。狩人はあのお婆さんだし、外に出て撃つのは難しい気がする』


俺とヅカは外の巨大狼、いや、フェンリルの討伐方法を模索する。薬師が言うには体内に入ってさえしまえば、動きを封じる事ができるらしい。


ドガシャアァァン!!


また壁が破壊された。


「鍛冶屋さん!悪いけど一旦ハンマー借りるよ!」


すかさず大工が壁の修復へ向かう。


バキドゴォォォン!!


また別の場所が壊された。鍛冶屋はダイニングテーブルを穴の開いた場所へ立て掛ける。


「大工ー!早くこっちも頼む!」


「わかりました!もう少し耐えてください!」


ボーン ボーン


無情にも4時の鐘が鳴る。


薬師の姿はもう無い。風が吹き荒ぶ室内。シェフ同様倒れてしまったのだろう。


「マジかよ…薬師まで。このクエストは心が持っていかれる」


『ヅカ、泣き言は後にしてくれ。今は協力してクエストを終わらせるしかない!』


「わかってる。でも理不尽すぎてキツいよ」


『あぁ、そうだな。終わったら美味いものでも食べに行こう』


大工が最初の壁を修復し終え、鍛冶屋が塞いでいる壁の修復を始めた。


「まったく外の狼さんは何を考えてるんだか…」


流石に鍛冶屋も疲れが出てきたようだ。


「はい!これで補修完了!もう壊さないでくれよ」


「ところで婆さんは何やってるんだ?」


確かに。しばらく姿を見ていない。


『ヅカ、ちょっとお婆さん探してくれないか?』


「わかった。ダイニングから見えない場所はワインセラーくらい。行ってみる」


そういえば、あのお婆さんは音楽家が何かを探してたって言ってたな…


「それじゃ、弾丸作り再開するか。ハンマー貸してくれ」


鍛冶屋は大工からハンマーを受け取り、弾丸作りを始める。大工と同じように、ハンマーが光っている。1本しかないハンマーが、2人の道具ってのが厄介だ。また壁を壊されると、弾丸作りが止まってしまう。


「ワオーーーーーーーーーン!!!!!」


強風の音にも似た、フェンリルの遠吠え。窓から外を見るが、獣の姿は無い。


「お婆さん居ないんだけど…」


ヅカが戻ってきた。


「ワインセラーの部屋には誰も居なかった」


一体どこへ行ったんだ。この猛吹雪の中、外に出ることはないだろう。今いる場所はダイニング、廊下に出て進めばワインセラー。廊下の途中にはトイレと浴室の入り口が隣接している。キッチンもダイニングの隅にあり、ここからでも死角は無い。


『わかった。しかし弾丸が出来ても肝心のピストルが無いんじゃ困るな』


「鍛冶屋さん。弾を作った後に銃もお願いできる?」


ヅカが鍛冶屋に追加で依頼した。


「あぁ、もちろん作れる。ただ、材料をどうするかだな。弾丸を作る分は、折った時計の針で十分だったが」


『いや、銃に絞らなくても、弾丸を装填できて撃てるなら何でも良い』


「なるほど。それなら木で作るのはどうだろう」


大工が設計図を描き出した。


「よし!これなら椅子をバラして材料にできる!」


「すごい!木のボウガンだ。これなら作れそう!」


俺たちは早速ボウガンの作成に取り掛かった。


「よーし、完成。薬入りの弾丸はできたぞ。そっちはどうだ?」


「お疲れ様です。こっちももうすぐ完成します」


大工の手際の良さが光る。これであとはどうやってアイツに撃ち込むかだ。


「これでようやく皆んなの敵討ちができますね」


「あぁ、まったくだ。4人もいかれちまったからな」


バリバリバリィィン!!


窓ガラスが割れ破片が飛び散った。窓の外からはフェンリルがこっちを覗いている。


「来たな。覚悟してろよ!」


「ボウガン完成!さて、誰が使いますかね」


俺とヅカは鍛冶屋を指名した。この中で一番扱えそうだと判断したからだ。


「よし、わかった。まかせろ!」


鍛冶屋は弾丸をボウガンに装填。窓に向かって狙いを定める。窓の向こうには、まだフェンリルの姿がある。


「じゃあな。化け物」


ズガガガガッ!!


フェンリルはとてつもない速さで壁一面を破壊し、ボウガンを放つ間も無く鍛冶屋は吹き飛ばされた。


「鍛冶屋さん、危ない!」


立て続けにフェンリルの猛攻が続き、鍛冶屋は外に放り出された。


「イッキ、逃げよう!」


俺は落ちているボウガンと弾丸を拾い、ヅカと部屋を出ようとしたその瞬間…

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