5-3.SUMMIT
「こんにちは」
今度は小学生くらいの男の子がやってきた。今残っているカードは、
[3.占い師][4.薬師][5.大工][7.狩人]
この4枚だ。
子どもに大工は難しいだろう。でも工作が得意とかならアリなのか?
「君は何か得意なものはある?」
「僕はゲームが得意だよ。人と銃で戦ったりするやつ」
撃ち合うゲームか。順当に行くなら[7.狩人]だろうな。しかしこの後にまだ3人来るとすれば、もっと適任になる人がいるかもしれない。
『ヅカ、この子は[4.薬師]でいこう。占い師でもいいけど、薬は今のところ必要ない』
「オッケー。確かにイッキの言う通り。それでいいと思う」
意見が一致したので、4人目の子どもには、[4.薬師]のカードを渡した。
「これであと3人かぁ。それにしてもただカードを渡すだけのクエストって事はないよね」
『あぁ。配り終わってからが本番だろうな』
ドンドンドン
5人目がやってきた。
「誰かおらぬかー」
ヅカが扉を開けると、侍のような風貌の髷を結った男が居た。
「おぉー、御武人であったか。すまぬが水を一杯くれぬか」
台所にあるグラスに水を注ぎ、5人目の男性に渡した。
「ぷはー。生き返ったでござる」
『それは良かったです。あなたはお侍さんですか?』
「いやなに、別に侍というわけではござらん。俗に言うレイヤーというやつでござるよ」
「えっ?コスプレイヤー?」
ヅカが聞き返す。俺も全く同じ反応だった。
「まぁ、そういう事でござるな」
流石にこの時代に侍はいないか。
『何か得意なものはありますか?』
「んー、別に何もござらんな。あえて言うなれば、憑依ができまする。実際には乗り移るのとは違うが、レイヤーだけに成り切る事が得意でござるぞ」
なるほど。衣装によってステータスが変わるようなものか。体格も標準より高いくらいで、俺と同じくらい。この人ならどのカードを選んでも、それなりに戦力にはなりそうだ。
「占い師はどう?」
ヅカが提案してきた。確かに今戦力を割くのは厳しいかもしれない。
『あなたは占い師です』
「かたじけない」
カードを配布すると、そう言いながら、奥にある席へとついた。
ドンドン! タンタンタン!
扉を開けると、入り口には2人のさわやかな青年と老婆がいる。
「こんにちは」「どうも」
俺とヅカは会釈した。
残るは[5.大工][7.狩人]の2枚。青年の方はどちらを渡しても対応できるだろう。しかし、老婆の方はどちらを渡しても体力的に厳しそうだ。
「イッキ…これってかなり厳しい選択じゃ?どうみても老婆には占い師を渡す感じだけ…」
しかし、占い師は先ほどの侍のレイヤーへ渡してしまった。
『それでは、そちらの若い方は[5.大工]です。おばあさんは[7.狩人]でお願いします」
青年と老婆は奥の部屋へ行く。この部屋に弓矢はないが、ピストルがテーブルの上に置いてあるため、それを老婆へ渡した。青年には特に渡すアイテムは見つからない為、そのまま奥へと案内した。
これで訪問者とカードの関係は、
[1.音楽家:綺麗なお姉さん]
[2.シェフ:サラリーマン風の男]
[3.占い師:侍の格好をしたコスプレイヤー]
[4.薬師:子ども]
[5.大工:さわやかな青年]
[6.鍛冶屋:体格の良い男]
[7.狩人:老婆]
果たしてこの采配は正解なのだろうか。そしてこれから何が起こるというのか…
コンコン コンコン
俺は扉をそっと開けた。するとカードを配った大神が立っていた。
「ひとまずお疲れ様でした。無事全員にカードが行き渡りました。それではこれから第二部と行きましょう」
「第二部だって?」
「これからこのログハウスの周りは大雪が積もり、外に出られないほどの突風となります」
『やけに内容がリアルになってきたな』
大神は続ける。
「そしてここからがクエスト本番です」




