4-9.都市
移動を始めて3回目の朝だ。
「みてみてーー!あれだよあれーー!!」
サナが指差す方には、巨大な塀があり、それよりも高い建物の上部がいくつも見える。
「なんやでっかそうな所やな」
「僕たちと同じで街に向かって行く人もいるね」
『ちょっと待て。他のパーティーとバトルにはなりたくない。見つからないように移動しよう』
街周辺は木々に囲まれた場所が数箇所ある。4人で固まると目立つので、2人1組で見失わない程度に距離を取り街を目指すことにした。
「もしもーし。リッくん、あっちゃん、聞こえますかー?」
「聞こえとるで。しっかしこれ便利やなー」
『声が届く範囲で頼む』
「はーーい。でもどこまで離れていいんだろうねーー」
まだLISTの仕様は把握しきれていない。ヘルプやマニュアルが無いってのがRATEの特徴でもある。
街に出入りする人との距離がかなり近くなってきた。
「もしもーし。僕とサナちゃんはもう街に着くよー」
『あぁ。俺たちももう少しだ。着いたら適当なところで待っててくれ』
俺たち4人は街の入り口で合流した。
「しかしごっつい街やのー」
「うんうん。大きいねー」
「サナも初めて来たーー。すごーーい」
「え?サナちゃん来たことないの?」
「ないよーー。北に商業都市があるってユウトから聞いた事があるだけーー」
「ほんまかいな。あぶなっ。これだけ歩いてなんもなかったら痺れるわ」
『まぁ、ユウトは嘘をつくようなタイプじゃないから大丈夫だろ』
「だよねーー。ちゃんと街に着いたし問題なーーし」
街の入り口には[巨大都市アリス 東門]と書かれている。俺たちは早速門をくぐった。
「なんかマップがあるよー。なになに。街は東西南北に入り口があって、東地区[コロシアム]、西地区[宿屋]、南地区[酒場]、北地区[遺跡]、中央に[アリス広場]だってー。目印になる場所の名前が書いてあるっぽいね。ほんとこの街大きいね」
「んで?来たは良いけど、この街で何するんや?」
「サナお買い物したーーい」
「僕は美味しいもの食べたーーい」
『少し休める場所に行こう。色々と情報の整理もしたいし、今後の動きも考えたい。宿屋にでも行ってみるか』
「そやな。んじゃ行こか」
サナとハジメは不満そうな顔をしていたが、構う事なく宿屋に向かった。途中のアリス広場には、たくさんの店が並んでいた。
「しっかしこの街は客引き多いなー」
「商業が盛んなだけあって、活気がすごいもんねー。あとでゆっくり広場でも行ってみようかな」
「サナも行きまーーす」
西地区の宿屋に到着した。
「いらっしゃいませ。宿泊はおひとり様につき、アイテムカード1枚でございます」
アイテムカードが4枚必要か。
「俺は薬草1枚持っとるから、それ使っとくわ」
「サナも大丈夫ーー。石ころいらないから使うーー」
「僕はアイテム持ってないなー」
『それなら俺が薬草2枚持ってるから問題ない』
合計4枚のカードを宿屋の受付に渡した。
「ありがとうございます。チェックアウトはお好きな時間にどうぞ。お部屋は2階になります」
俺たちは2階へ上がった。部屋は仕切りがあり、全て個室になっている。
「なんかネットカフェみたいな感じだね。むしろ落ち着くかも」
「部屋は全員入らへんから、一旦そこ座ろか」
部屋に行く途中に、商談で使えそうなテーブルとソファーが置いてある。全員ソファーに座り、これまでの整理と、今後の話をする事にした。




