3-5.PARTY
「随分と長い道だね。ところであっちゃんは何でここにいたの?」
あの場所、そしてあのタイミングで。しかも知り合いが助けてくれた。どうも都合が良すぎる。
「なんで?っていわれてもなぁ。いきなり変なやつが話しかけてきて、牢獄に連れていかれたんや」
やはり何者かが裏で動いているのか。
「カード3枚くれるっていうから話に乗った。そしたらハジメと陸がおったから、俺の方がビックリしたわ」
「そっかぁ。でも、あっちゃんが助けてくれなかったら、僕もりっくんも詰んでたよ」
その通り。アツシが来なければ間違いなく巨人兵にやられていただろう。
『その変なやつはどこにいるんだ?』
裏で操作しているのは善意を持った者なのかと錯覚してしまう
「ここに着いたらおらんなったわ。まぁ、カードきっちり3枚貰ったけどな」
『なんでそんなので引き受けたんだ?』
「バトルに負けて手持ちが1枚やったからな。その1枚はこの【サブマシンガン】なんやけど」
バトルに負けると手持ちが1枚になる。救済処置もあるのか。
『負けたってプレイヤーにか?』
「そうや。3対1じゃさすがに無理やわ」
『バトル申請は相手から?』
「いや、最初1人やったんでこっちから。そしたら途中でパーティーメンバーが合流してきてな」
そんなパターンもあるのか。確かに相手の人数はわからない。しかしそれは相手も同じ。となれば、パーティーを組んでおく方が連携が取れて有利か。
「ハジメ、アツシ、ひとまずパーティー組んでおこう」
「了解~」「そやな」
俺は2人とパーティーを組んだ。
「りっくん、パーティーって何かいいことあるの?」
『よくわからないけど、システムがある以上なんらかの利点はあるだろ』
まだメリットはわからない。バトルの報酬については、パーティーで振り分けがある。それはイッキとヅカが俺の家でプレイしていた時に確認済だ。しかし、それ以外の機能がわからない。
試しにパーティーボタンを押した。
[PT1 リック][PT2 ハジメ][PT3 アツシ]
画面の表示がパーティーリストになった。
LISTは液晶部分を直接タッチしても操作できるので、試しにハジメの名前を押してみた。すると、アツシの名前がグレーアウトした。
『ハジメ、何か変わったか?』「何も変わってないよー」
『じゃあ、アツシは?』「あれ?あっちゃん反応ないね」
『おい、アツシ!』
「なぁ、これからどないする?」
なんだ、聞こえてるじゃないか。
「二人とも!なんか明るくなってきたよ」「おっ!光が見えてきたで」
やはり違和感を感じる。
『なぁ、アツシ?』「さっきから2人とも黙ってどしたん?」
やはり俺とハジメの会話は聞こえていないのか。
LISTのパーティーから、アツシの名前も選択した。するとパーティー全員が選択された状態になった。
『なぁ、アツシ。今まで俺とハジメが話してた事聞こえてなかったか?』
「なにいうてんの。何も聞こえんかったで」
「えっ?僕とりっくんは話してたよ」
「まったく聞こえんかった」
『だろうな。俺がパーティーの欄でハジメだけ選んでたから、アツシに会話が聞こえてなかったんだろう』
「そうなんだ。パーティーってそんなことも出来るんだね」
「それってパーティーだけで会話できるって事やな。他の奴らに聞かれへんってのは良いな」
使い方次第じゃ良い機能だな。ただ無口な状態が続けば大抵の人は気付くか…
「あそこが出口なんじゃない?」
ハジメは嬉しそうに言う。ひとまずパーティーだけの選択を解除した。
「こりゃたまらんわ!」「眩しいよ~」
アツシとハジメは手で光を遮るようなポーズで外へ出ていく。そのあとを続いて俺も外へ出た。
「何これ」「なんやこら」
『なんだここは…』




