3-3.SIREN
「りっくんさ、なんでRATEに来たの?」
ハジメの言葉を聞いて呆気にとられた。
『あのな、お前を探しに来たんだよ。イッキとヅカも協力してRATEに来てくれてる』
「え~!なんか僕悪いことしちゃったね」
『まったくだ。なんでRATEなんかに』
「りっくんに塾の話したよね?」
あぁ、塾の友達がRATEを買った次の日から来ないって話か。
「ネットで調べてるうちに興味出ちゃって」
『だからって試すなら一声かけてくれりゃいいのに。ハジメの母ちゃん心配してたぞ』
「あちゃ~。やっぱりそうだよね。実は僕、この世界結構気に入ってるんだよねぇ」
『何言ってるんだよ。みんなが心配してるってのに』
「でもさ、こんな非現実的な世界。ワクワクしない?」
ハジメの言う事も理解できるが、他の人を巻き込んでいるという罪悪感を多少は持ってほしい。
ギー ギー ギー ギー
『なんだこの音は!』「耳が痛いよ~」
思わず俺とハジメは耳を塞いだ。
ギー!ギー!ギー!ギー!
さらに音が大きくなる。これは耐えられない。
「行くぞハジメ!」
とにかく音が鳴る方とは反対へ走った。立ち止まると変わらず音が大きくなる。
『なんなんだこの不快な音は!』
「警報かなぁ?」
『でも普通、警報が近づいてくるか?』
「じゃあ、動く警報なんじゃない?」
まさか、そんな単純なことに何故気付かなかったのか。俺たちは脱獄してるんだから、追手が来るのは当然だ。
しかし、移動は俺たちの方が早い。このまま逃げ切ればいい。
『走るぞ!』
「りっくん待って!あれ見て!」
なんてことだ。出口らしき場所に移動型の兵器が2機、ターゲットを探すかのように行ったり来たりしている。
『なんか手ごわそうだな』「うん。大砲ついてるね」
ギーーーーー!
『ハジメ!伏せろ!』
突然後ろから巨大な鉄球が飛んできた。俺とハジメは上手くかわしたが、目の前は悲惨な光景だ。
「出口なくなっちゃったね」
『さっきの2機もスクラップだな』
「でもあれじゃ出られないよ」
後ろから鉄球を持った巨人兵が歩いてくる。不快な音はコイツからだった。
巨人兵は鉄球を投げる体制に入った。
「これってヤバイんじゃ?」
『あぁ、かなりな』
ギーーーーー!
巨人兵の軋む音とともに鉄球が飛んできた。さっきは屈めば避けられたが、今回は軌道が完全にこっちを向いている。
「うわーー!!」
バシーンッ!




